1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680387
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神沢 淳 東京工業大学, 工学部, 教授 (80010908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 秀俊 東京工業大学, 工学部, 助手 (50226643)
渡辺 隆行 東京工業大学, 工学部, 助手 (40191770)
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Keywords | 熱プラズマ / 廃棄物 / セラミックス / リサイクル / 水素 |
Research Abstract |
この研究は反応性熱プラズマを用いて都市ごみ等の焼却灰を溶融、無害化しさらにこの焼却灰から金属資源を回収することを目的とした。その基礎的研究として、昨年度は、適当なセラミックスを選択してそれぞれを反応性プラズマで処理し、生成者の組成や熱力学計算などから、ある程度まで反応経路を推測できた。そこで今年度はさらに対象物質をマグネシア(MgO)、シリカ(SiO_2)、アルミナ(Al_2O_3)に絞り、反応性ガスも水素(H_2)だけを取り上げ、これらセラミックスと反応性プラズマとの作用機構を詳しく検討し、以下の結果を得た。MgOの場合は基材の質量が処理時間とともに直線的に減少した。またH_2を添加するとこの質量減少は促進されたが、H_2濃度が5%以上ではH_2の効果はそれほどみられなかった。またH_2濃度が5%までは質量減少速度はH_<>濃度の0.5乗に比例し、還元作用にH原子が関与していると考えられた。そこでプラズマ中のHの発光強度を測定したところ、発光強度がH_2濃度に対して増加した後一定になる傾向が得られ、H原子の還元作用が明らかになった。また素材への流入熱量から表面温度を推算し、この温度での平衡組成を検討したところ気相でのMg元素を含む化学種が多くなり、このことからもH_<>の効果が説明できた。次にSiO_2の場合、H_2による還元効果はMgOと同様の結果であったが、質量減少速度が初期と数分後では異なった。この原因としてSiO_2の固相中の相転移が考えられた。また減少速度はMgOと同様にH_2濃度の0.5乗に比例し、H原子が還元作用に関与していると考えられた。一方、Al_2O_3の場合、H_2を添加しても質量減少はほとんどみられなかった。これは、推算した基材表面温度での平衡組成ではAl_2O_3は安定であり、水素を添加してもこれは変化しないためと考えられた。
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