1994 Fiscal Year Annual Research Report
石炭バイオクリーニング微生物のパイライトおよびスポリナイトへの選択的吸着と脱硫
Project/Area Number |
05680479
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Research Institution | The National University of Yokohama |
Principal Investigator |
小泉 淳一 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (00150334)
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Keywords | 石炭 / 生物脱硫 / チオバチラス属細菌 / パイライト / 吸着 / 浮遊選炭 / イリノイ炭 / 天府炭 |
Research Abstract |
本年度の研究において, (1)通常チオバチラス属細菌を用いた,石炭中の硫黄酸化溶脱反応では約2週間という長時間を要す硫黄化合物の除去が,吸着細菌による界面特性変化に基づく浮遊選別(浮遊選炭)によって,分単位の滞留時間での操作で可能となることが判明した。 (2)この界面特性を変化させることのできる分離微生物をThiobacillus ferrooxidansと同定した。 (3)微粉砕し,分級したイリノイ炭および天府炭に,この微生物を投与し,その混合スラリーをカラムにて浮遊選炭することで実現できる,バイライト態硫黄脱硫率を,数種の操作条件(操作変数は投与微生物濃度,起泡剤濃度,捕集剤濃度)の下で実測した。 (4)また,同時に炭素回収率も実測し,脱硫率と炭素回収率の位相面において,操作点は操作変数により上に凸の曲線上を推移することが確認でき,それを基に最適操作条件に関する議論が,イリノイ炭および天府炭それぞれについて出来うることが判明した。 (5)同一炭種においてもその粒度分布が異なる場合,最適操作条件が異なる事例を検出した。また,石炭中の硫黄形態において有機体硫黄の比率の高い石炭に対しては全硫黄基準の脱硫率が低下するが,そうした石炭にこの浮遊選炭を適用する時の,原料調製(粉砕,分級)に関する指標を得た。
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