1994 Fiscal Year Annual Research Report
スライスパッチ法の改良と同法を用いた海馬抑制性ニューロンの作動分子機構の研究
Project/Area Number |
05680714
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河 和善 東北大学, 医学部, 助教授 (70125839)
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Keywords | スライスパッチ法 / 海馬 / 抑制性ニューロン / セロトニン / 受容体 / ラット |
Research Abstract |
1.前年度にひきつづいて、海馬ニューロンおよびシナプス形成がほぼ完成する生後16-20日齢のラットより脳切片をノマルスキー顕微鏡下に海馬歯状回の局所性抑制ニューロン(Basket cell)と中継型興奮ニューロン(granule cell)を同定した。これらニューロンに対してナイスタチン穿孔パッチ法および通常のパッチ電極法を用いてWhole-cellの電位同定を試みた。 2.セロトニン(2-50μM)をY-チューブよりこれらの細胞に局所投与したところ、約90%のBasket cellからは、内向き電流が誘発された。この電流はセロトニン3型受容体に直接カップルする陽イオン選択性チャネルの開口によるものであることが判明した。 3.セロトニン3型受容体と他の受容体とを比較するため巨核球のアデノミン2燐酸(ADP)受容体の特性を調べた。ラットまたはモルモットの巨核球において、ADP(1μM-100μM)を小型化したY-チューブ法により投与すると一過性の内向き電流とゆっくりした外向き電流が誘発された。 前者は陽イオンチャネルの開口によるもので、後者はCa^<2+>-依存性K^+チャネルの開口によるものであることが判明した。 4.前者につきマウス巨核球を用いて更に詳しく調べたところ、セロトニン3型受容体と共通の特性(陽イオン透過性/速い脱感作/受容体-チャネル複合型分子構造)が見い出された。 5.ニューロンと巨核球の間でこのような類縁性は、受容体作動分子機構やその分子進化の観点から極めて興味深い。これらの標本に対し、outside-out法やcell-attachedの改良を試み、受容体分子機構を更に解析した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kawa,K.: "Distribution and functional properties of 5-HT_3 receptors in the rat hippocampal dentate gyrus:a patch-clamp study." J.Neuropysiol.71. 1935-1947 (1994)
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[Publications] Kawa,K.: "Inhibitory effect of methylxanthines on glycine-induced Clcurrent in dissociated rat hippocamal neurons." Ann N.Y.Acad.Sci.707. 449-453 (1993)
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[Publications] Akaike,N.: "Existence of rolipram-sensitive phosphodiesterase in rat megakaryocyte." Br.J.Pharmacol.109. 1020-1023 (1993)
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[Publications] Kawa,K.: "ADP-operated rapid currents observed in dissociated mouse megakaryocyte." Neuroscience Research. S19. S50 (1994)
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[Publications] 河 和善(共著): "“ブレインサイエンス最前線'95"佐藤昌康編" 講談社サイエンティフィク, 138 (1994)