1994 Fiscal Year Annual Research Report
脳組織に存在するトリプシン阻害物質、特にウリナスタチン様物質の性状と生物学的機能
Project/Area Number |
05807007
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
食見 忠弘 島根医科大学, 医学部, 助教授 (00065913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権田 辰夫 島根医科大学, 医学部, 助教授 (40116398)
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Keywords | ウリナスタチン抗体反応陽性物質 / α1-ミクログロブリン抗体反応陽性物質 / 脳脊髄液 / 痴呆 / パーキンソン氏病 |
Research Abstract |
今年度はウリナスタチン様物質の生物学的機能をしる目的で 各種精神および神経疾患患者の脳脊髄液中のウリナスタチン抗体反応陽性物質について検討した。その結果、 1) 脳脊髄液中のα1-ミクログロブリン抗体反応陽性物質量とウリナスタチン抗体反応陽性物質の間に正の相関を認めた。この正の相関はパーキンソン氏病患者でも認められた。 2) α1-ミクログロブリン抗体反応陽性物質と痴呆との間の関連性は認められなかった。 3) 痴呆群では非痴呆群よりウリナスタチン抗体反応陽性物質量は有意にすくないこと、また、その量が少ないほど痴呆が高度であることを認めた。 4) パーキンソン氏病患者のステージ3、4での病態とα1-ミクログロブリン抗体反応陽性物質量やウリナスタチン抗体反応陽性物質量との間に量的差異や関連性は認められなかった。 これらの成績から脳脊髄液中のウリナスタチン抗体反応陽性物質の動態は痴呆と密接に関係していることを見い出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shikimi,T.: "Relationships between ulinastatin and alpha-1-microglobulin in human urine" Clin.Chim.Acta. 227. 195-200 (1994)
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[Publications] Shikimi,T.: "Effects of glutamate agonists and ischemia on human urinary trypsin inhibitor (ulinastatin)-like substance in the murine brain" Canad.J.Physiol.Pharmacol.72,Suppl.1. 334P- (1994)
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[Publications] Shikimi,T.: "Relationships of ulinastatin and alpha-1-microglobulin contents in urine and ccrcbrospinal fluids with dementia" Pathophysiology. 1,Suppl.1. 448P- (1994)
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[Publications] Inagaki,T.: "Relationship between urinary levels of ulinastatin and α1-microglobulin in patients with various neuropsychiatric diseases" Jpn.J.Pharmacol.67,Suppl.1. 164P- (1995)
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[Publications] 食見忠弘: "脳脊髄液中に認められるウリナスタチン抗体陽性物質について" 日薬理誌. 105. 88P- (1995)
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[Publications] 食見忠弘: "ヒト脳脊髄液中のアミロイドβ-蛋白関連物質の動態について" 日本薬学会第115年会講演要旨集. 3. 109- (1995)