1993 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫オーキネートの先端部小器官に局在する蛋白物質の解析
Project/Area Number |
05807020
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鳥居 本美 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20164072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 敬文 愛媛大学, 医学部, 助手 (00188616)
|
Keywords | マラリア原虫 / 有性生殖世代 / 細胞内小器官 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
マラリア原虫オーキネート先端部に局在する細胞内小器官を虫体から分離精製し、その中に含まれる物質に対する単クローン抗体を作成することによって、先端部小器官に含まれる物質の性状を明らかにすることを目的として本研究を実施した。材料にはネズミマラリア(Plasmodium yoelii)を用いた。P.yoelii感染マウスから得た血液中の白血球をワットッマンCF-11カラムを用いて除去した。このマラリア感染赤血球を、オーキネート培養培地(Munderloh & Kutti 1987)に浮遊させ、pH8.4、23℃の条件で培養した。その結果、24時間後の培養液中に多数のオーキネートを形成させることが出来た。このオーキネートを含む培養液をPBS(-)にて洗浄し、白血球分離液(Lympholyte-M)上に重層して、1500xg,20分間遠心して、オーキネートrich layerを採取した。この部分精製オーキネートをホモジェネート用培地(Entzeroth et al.1986)に浮遊させ、加圧細胞破砕器(パール細胞破砕器)を用いて破壊した。そして、この破砕虫体を含む培地から蔗糖密度勾配超遠心法によって細胞内小器官を分取した。得た各分画にネガティブ染色を施したものを、電子顕微鏡を用いて観察した結果、多数の小胞を含む分画が存在することが明らかとなった。この先端部小器官と考えられる小胞を含む分画を超音波破砕したものを抗原としてBALB/cマウスを免疫し、この免疫マウスの脾細胞とミエローマ細胞を融合させた。単クローン抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングには間接蛍光抗体法を用いた。この結果、オーキネートの虫体表面に特異的に反応する単クローン抗体の他、オーキネートの細胞質に反応する単クローン抗体が得られた。現在,この単クローン抗体の性状およびこの抗体の認識する物質の詳細な局在について検討している。
|