1993 Fiscal Year Annual Research Report
直腸肛門奇形術後症例における失禁原因の解明及びその対策
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05807079
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
甲田 英一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80101989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久住 浩美 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50238713)
奥田 茂男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30233456)
伊川 廣道 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20124935)
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Keywords | 肛門 / 括約筋機能 / 鎖肛 / MRI / 画像診断 |
Research Abstract |
現段階で得られた知見の概要は以下のとうりである。 正常人:安静時と排便こらえ時の比較で、浣腸刺激では肛門挙筋は5±3.9mm、肛門管は横径で2.1±1.8mm、前後径で1.6±2.4mm、大臀筋は4.1±5.0mm拡大した。バルーン刺激では恥骨直腸筋群は3.7±2.9mm収縮し、肛門管は横径で0.6±0.7mm拡張し、前後径で0.3±2.6mm収縮した。大臀筋は1.7±4.0mm拡大した。 鎖肛術後症例:臨床的肛門機能評価点(Clinical score)4点であったものは全例恥骨直腸筋群の5mm以上の収縮と大臀筋の10mm以上の拡張を認めた。肛門管の横径は1例で4mm拡張し、1例で3mm拡張した。前後径はいずれも3mm、1mm減少した。Clinical score0点のものでは恥骨直腸筋群は3例で2-7mmの拡張を認め、1例でmmの収縮をみとめた。大臀筋は1例で2mmの拡張をみとめたが、他の3例では変化を認めなかった。。肛門管は1例で4mmの横径拡張を、1例で3mmの横径収縮を認めた他は変化を認めなかった。 以上の知見をまとめると,1)正常例では通常の排便こらえ時に肛門管上部は恥骨直腸筋によって左右方向に収縮する。浣腸刺激下では肛門管は前後左右両方向に収縮する。大殿筋は浣腸刺激時に収縮する。2)鎖肛術後症例のうち,無失禁例では恥骨直腸筋及び大臀筋の収縮が良好で,失禁例ではそれらを認めなかった。内外肛門括約筋に対しては特異的所見を認めなかった。従って,失禁に関する限り上記二筋肉が重要な役割を担っていると推察される。
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Research Products
(1 results)