1994 Fiscal Year Annual Research Report
インプラントヒ-ティングシステムによる口腔癌の組織内温熱化学療法の研究
Project/Area Number |
05807191
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤内 祝 名古屋大学, 医学部, 講師 (50172127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 正顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (90013531)
光藤 健司 名古屋大学, 医学部, 医員
林 康司 名古屋大学, 医学部, 助手 (10238131)
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Keywords | インプラントヒ-ティングシステム / 組織内温熱療法 / 温熱化学療法 / ランゲルハンス細胞 / Thy-1腸性細胞 / 口腔癌 |
Research Abstract |
インプラントヒ-ティングシステムの組織内温熱刺激による局所の免疫能の変化を調べるためにマウスの舌の組織学的変化、抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞およびランゲルハンス細胞と相互作用するといわれるThy-1腸性細胞Tリンパ球の動態を観察した。 その結果、インプラントヒ-ティングシステムによる加熱後ランゲルハンス細胞の数は増加し、3時間後にピークとなり、対照群と有意に多く、その後減少し7日目に対照群と同じになった。Thy-1腸性細胞も同様に加温後増加し、5分後にピークとなり対照群と有意に多く、その後減少し、加温後7日目に対照群と同じになった。ランゲルハンス細胞、Thy-1腸性細胞の二重染色を行うとThy-1腸性細胞は上皮内でランゲルハンス細胞と近接していた。以上よりインプラントヒ-ティングシステムの組織内温熱療法とcisplatinとpeplomycinの化学療法との温熱化学療法を15例の口腔癌患者に対して使用した。この内 9例は術前温熱化学療法であり、臨床効果は 8例がCR、1例がPRであり、術後の摘出物の病理組織学的検討では8例に腫瘍細胞の存在は認めなかった。6例は温熱化学療法のみの治療であるが、臨床効果は6例ともCRであったが、1例が3か月後に再発を認めた。 以上より、T1,T2の舌癌、口底癌はインプラントヒ-ティングシステムを用いた温熱化学療法の適応と考えられたが、硬口蓋癌や歯肉癌では骨と隣接するためインプラント針の刺入ができず、適応でないと思われた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 藤内 祝: "口腔癌に対するImplant Heating System(IHS)を用いた温熱化学療法の効果と適応" 日本ハイパーサーミア学会誌. 11(印刷中). (1995)
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[Publications] Mitsudo,K.,Tohnai,I.,et al.: "Electrem micrescopic and immunohistochemical studies of langerhans cells and Thy-1 positive cells in mucosal epithelium of mouse tongue treated by local hypertherm" Archives of Oral Biology. (in press). (1995)
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[Publications] 中井 英貴,藤内 祝 他: "頬部に再発した骨肉腫に対する温熱療法の臨床効果" 日本口腔科学会誌. 44(印刷中). (1995)
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[Publications] Kaneko,R.,Tohnai,I.,et al.: "Heat-shock protein 40,a novel predictor of thrmotolerance in Murine Cells" Radiation Research. (in press). (1995)
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[Publications] 藤内 祝: "暮らしと新材料 (発熱磁性体針:癌温熱療法への応用)" 冲 猛雄:編 (日刊工業新聞社), 244 (1994)