1994 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βおよびその受容体を含めた関連タンパクと血管病変の関係の解析
Project/Area Number |
05837022
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
竹田津 文俊 自治医科大学, 医学部, 講師 (90254937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 正舒 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40161286)
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Keywords | TGF-β / エンドグリン / 潜在型TGF-βI結合タンパク(LTBP) / TGF-βI型受容体 / TGF-βII型受容体 / 血管病変 / 解離性大動脈瘤 / 腹部大動脈瘤 |
Research Abstract |
本研究の目的は血管病変におけるTGF-βsおよびその関連タンパクの発現ならびに潜在型TGF-βI結合タンパク(LTBP)の遺伝子異常の有無を検討し、TGF-βsと血管病変の病因の関係を明らかにすることである。 研究開始以来、これまで、2年間で26例の解離性大動脈瘤および真性大動脈瘤などの血管病変患者の血管壁を手術的に、25例の狭心症・心筋梗塞患者の冠動脈硬化巣を経カテーテル的に、4例の狭心症・心筋梗塞患者より左内胸動脈を手術的に集め、avidin-biotin法による免疫組織染色によりTGF-βI、2、3、LTBP、エンドグリンTGF-βI型、II型受容体(以下TGFRI、TGFRII)の発現の検討も行った。その結果TGF-βsおよびその関連タンパクが血管病変自体およびその周辺で強く発現していること、TGFRIおよびTGFRIIも同じ部位で確認でき、これらTGF-βが血管病変に何らかの関わりを有することが確認できた。冠動脈硬化巣および左内胸動脈ではTGF-βおよびその受容体も含めた関連タンパクが平滑筋細胞に強く発現しておりTGF-βが動脈硬化巣発症に深く関与していることが示唆された。 20例の血管病変患者よりRNAを集めLTBP遺伝子異常の検索を行った。本研究のきっかけとなったのはMarfan症候群の病因の責任遺伝子フィブリリンとLTBPが相同性が高いという事実であったこと、またLTBPにはEGFモチーフが認められたため、LTBPcDNAのフィブリリンとの相同性の高い部分およびEGFモチーフ部分の遺伝子配列(両者で3.2kb)を6区画に分けそれぞれに対してnest・RT-PCR(合計14通り)を行い、そのそれぞれのPCR産物をSSCP法により分析検討した。残念ながら現在までのところ血管病変患者において、LTBP遺伝子の異常は見いだされていない。本年度はMarfan症候群患者についても検討中であるがまだ終了していない。
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Research Products
(1 results)