1994 Fiscal Year Annual Research Report
日本北部およびロシア極東水域における沿岸、陸水魚類の系統進化と分散経路
Project/Area Number |
06041004
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尼岡 邦夫 北海道大学, 水産学部, 教授 (50002085)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FEDOROV V. ロシア科学アカデミー動物学研究所, 研究員
PITRUK D.L. ロシア科学アカデミー海洋生物研究所, 研究員
PIETSCH T.W. 米国, ワシントン大学・海洋水産科学部, 教授
FROLOV S.V. ロシア科学アカデミー海洋生物研究所, 主任研究員
CHERESHNEV I ロシア科学アカデミー海洋生物研究所, 研究室長
GLUBOKOVSKY エム.ケー. ロシア科学アカデミー海洋生物研究所, 研究室長
中野 繁 北海道大学, 農学部, 助手 (50217791)
高田 啓介 信州大学, 理学部, 助教授 (90197096)
酒井 治巳 水産大学校, 助教授
矢部 衞 北海道大学, 水産学部, 講師 (80174572)
後藤 晃 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30111165)
松浦 啓一 国立科学博物館, 主任研究官 (70141984)
仲谷 一宏 北海道大学, 水産学部, 助教授 (00002353)
|
Keywords | ロシア極東水域 / 浅海魚類相 / 淡水魚類相 / 形態学的解析 / 分子生物学的解析 / 比較生物地理 / 系統進化 / 系統分散機構 |
Research Abstract |
6年度の8月中旬から9月上旬の約3週間にわたり、ロシア極東域において浅海魚類調査班と淡水魚類調査班に分かれ、それぞけ4名(研究協力者2名を含む)が参加しロシア側研究分担者とともに現地調査を行った。 浅海魚類調査班は沿海州中部オリガ湾周辺および沿海州南部のリムスキー・コルサコフ諸島周辺を中心に浅海魚類相の調査を行い、約60種3500個体の浅海性魚類を採集し持ち帰った。現在、各研究分担者により分類査定、地理的変異などの形態学的解析を行っているが、いままでに採集例の極めて少なかったカジカ科およびハゼ科魚類を確認するとともに、タウエガジ科5種では従来の知見がない色彩、形態形質などの広範囲の変異個体が含まれていることが確認されている。特にオキカヅナギ類においては日本産の同一種とは著しい差異が認められ、今後詳細に比較検討する必要がある。 淡水魚類調査班はウラジオストク周辺の5河川及びサハリン南部の4河川において淡水魚類相の調査と遺伝的解析用の標本採集を行った。沿海州では6科25種、サハリン南部では7科20種が採集され、この中にはフクドジョウ、ヤチウグイ、タイリクホトケドジョウ、エゾトミヨなど北海道の淡水魚類相の形成史の鍵をなす魚種が含まれており、現在、形態変異も含めた生物地理学的な検討を行っている。持ち帰った凍結サンプルについてはアイソザイムとmtDNAによる分子生物学的解析を進めている。この中ですでにアロザイム解析が終了したシベリアヤツメでは、北海道産とサハリン南部産の集団の系統分散機構の推定を行っている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Okumura,N,Y.Hasebe and A.Goto: "Genetic variations of Cottus nozawae populations from five tributaries of the Shiribetsu River of southern Hokkaido." Japan.J.Ichthyol.(in press). (1995)
-
[Publications] Katsura,K.,W.Honto and H.Sakai: "Embryonic development of Tribolodon sp. (Ukekuchi-ugui)." Fish.Sci.(submitted). (1995)
-
[Publications] Nakano,S.: "Individual differences in resource use,growth and emigration under the influence of a dominance hierarchy in fluvial red-spotted masu salmon in a natural habitat." J.Anim.Ecol.64. 75-84 (1995)