1994 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナムにおける小児のマラリアおよび腸管系ウイルス感染症の疫学調査
Project/Area Number |
06041053
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
磯村 思无 名古屋大学, 医学部, 教授 (00064832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN Hoan ホーチミン市熱帯病センター, 研究員
NGUYEN The D ホーチミン市熱帯病センター, 部長
TRAN Tim Hie ホーチミン市熱帯病センター, 副所長
TRINH Kim An チョーライ病院, 教授
木村 政継 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60195378)
三宅 恭司 愛知県衛生研究所, 部長
川本 文彦 名古屋大学, 医学部, 講師 (40115556)
綿矢 有佑 岡山大学, 薬学部, 助教授 (90127598)
脇 誠治 群馬県立医療短期大学, 教授 (10056286)
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Keywords | ベトナム / 小児感染症 / マラリア / 新型マラリア原虫 / 卵形マラリア / 下痢症ウイルス / エンテロウイルス / ロタウイルス |
Research Abstract |
マラリア感染症(1)ベトナムのソンベ省及びラムドン省において、1994年7〜8月にマラリアの疫学調査を実施した。アクリジンオレンジ(AO)染色迅速診断法とPCR診断法による診断結果を比較した。両省の合計780名の外来発熱患者から、AOによる診断でマラリア陽性者約249名が見い出され、その場で抗マラリア剤が投与された。(2)陽性者の108名についてはPCR法でも診断し、両者の診断結果を比較した結果、18例で診断結果が異っていた。(3)再検査した所、基本的にはPCR法が優れていた。しかし、四例の四日熱様マラリアではPCR法が陰性で、また、ギ-ムザ法とPCR法とを比較した標本の一例も四日熱様マラリアはPCR法で陰性であった。これらの四日熱様マラリアの寄生率はかなり高く、4種の既知のマラリアのプローブと反応しない、即ち新型のヒトマラリアの可能性が考えられた。現在、ターゲット遺伝子である18S rRNAの遺伝子配列を検討中である。(4)AO法で卵形様マラリアと四日熱様マラリアの混合感染と診断された一例では、卵形様マラリアの18S rRNAの遺伝子配列から卵形マラリアの新型変異株と判明した。(5)1994年12月にカンホア省で得られた四日熱マラリアも、新型の四日熱マラリアと想像され、分子疫学的解析を現在進行中である。 腸管系ウイルス感染症:(1)ポリオウイルス野生株の分子疫学的解析をパキスタン、インド、本邦において分離したポリオ1型ウイルスについて検討した。(2)1994年7月から中部ベトナムラムドン地区居住の5歳以下の下痢症罹患児、健康小児各群について定期的な糞便材料の採取が開始された。(3)同年10月末まで得られた下痢症患児39例、健康児30例の材料を11月に名古屋に搬入、検索を開始した。Enterovirus陽性率は下痢群で42%、健康児群で40%、Rotavirus陽性率は46%対3%であった。(4)現地の材料採取を継続すると同時に分離ウイルスに関する血清型決定、分子疫学的解析が現在進行中である。
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Research Products
(1 results)