1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06041110
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
網干 善教 関西大学, 文学部, 教授 (90067463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARGABANDHU シー インド政府考古局, 局長(発掘調査担当)
JOSHI M.C. インド政府考古局, 長官
貝柄 徹 関西外国語大学, 外国語学部, 専任講師
古川 雅英 科学技術庁放射線医学総合研究所, 技官
米田 文孝 関西大学, 文学部, 非常勤講師
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 教授 (40141949)
高橋 隆博 関西大学, 文学部, 教授 (70188019)
山岡 泰造 関西大学, 文学部, 教授 (50067576)
丹治 昭義 関西大学, 文学部, 教授 (00067555)
薗田 香融 関西大学, 文学部, 教授 (40067492)
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Keywords | シュラーヴァスティー / サヘ-ト(祇園精舎)遺跡 / マヘ-ト(舎衛城)遺跡 / 北方黒色磨研土器 / 黒縁赤色土器 / 彩文灰色土器 |
Research Abstract |
平成3〜5年度にかけて実施したマヘ-ト遺跡に関連する試行(第I期)調査の諸成果を受けて、本格的(第II期)調査の初年度に相当する平成6年度は、主として考古学、文献学、美術史的分野の研究分担者が現地(マヘ-ト遺跡)を中心としたインド共和国内で調査研究を実施した。 1 考古学分野は、「太陽の池」南方地区および東方の城壁地区の2ヶ所で発掘調査を実施した(発掘面積計700m^2)。 (1)太陽の池南方地区では試行調査との関連性を重視して発掘区を12ヶ所設定したが、各区内で時期・規模の異なる土壙群を検出した。併せて、柱穴や周溝などの住居関連施設を確認したが、最終面に至るまで煉瓦積建物遺構は検出できなかった。注目すべき遺構には、鉄滓(スラグ)や灰が充満した各種規模の土壙がある。これらや共併土器・遺物から、当該地域は紀元前一千年紀後半を中心とした鉄加工工房群と推定した。 (2)城壁地区では都市を外敵や洪水から防御した土塁遺構の構造およびその築造時期の確定を目的に、試行的調査を実施した。その結果、城壁(推定幅35m,高さ10m)は紀元前3世紀頃に土塁として築造が開始され、その上部には焼成煉瓦を組み積んだ胸壁が構築されていることが判明した。また、その先端部分には煉瓦積の稜堡が構築されている状況が推定できるが、本格的調査は次年度以降に実施する予定である。 2 文献学・美術史分野はマヘ-ト遺跡出土資料に関連する銘文解説や彫像の形態的変遷過程を追求する目的で、インド政府考古局が所蔵する既調査出土資料および採集資料の調査研究を実施した。調査は現地およびパトナー、カルカッタ、デリーの博物館を中心にして実施し、資料の実見・観察および基礎的データの記録を推進した。
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