1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06041125
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
白幡 洋三郎 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (10135543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 章一 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (40135603)
小野 芳彦 北海道大学, 文学部, 教授 (20126022)
山地 征典 エドヴェシ, ロラーンド大学・日本学科, 教授
園田 英弘 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50027562)
村井 康彦 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (00077455)
飯田 経夫 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70022449)
山折 哲雄 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40102686)
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Keywords | 大衆文化 / 生活文化 / 教養 / 精神文化 / 実用 / 食品 / 生活用品 / 娯楽 |
Research Abstract |
本年度調査を行った旧東欧圏のル-マニア、ハンガリー、ポーランド、旧東ドイツにおいては、社会主義政権の崩壊後、生活は不安定になったが、一方で西側諸国からの物資・情報が、以前より広範に流入し、それに伴い日本の生活文化にかかわる商品も目につくようになっている。購買力と生活水準に規定され、食品、生活用品がその中心をなしている。日本食は高価であるためほとんど受容されていないが、インスタントめんなどの大衆的で簡便な食品は、社会主義時代とくらべると広く浸透している。テレビ、冷蔵庫、オ-ディオ機器などの電化製品では、高価な日本製はあこがれの的だが、日本製を装ったものが市場に流通しており、特異な日本の生活文化需要が見られる。食品、生活用品についで、テレビアニメやマンガ、コンピューターゲームのような娯楽や実用・趣味の分野に日本製品が見られるのが相対的に少ない。映画やテレビ番組におけるアニメーション、漫画雑誌はアメリカのものが主流となっている。とくに社会主義政権の崩壊に急激な暴力革命が伴ったル-マニアでは、経済復興が遅れており、国民生活に余裕がなく、日本製品に限らず西側の製品全般が贅沢品とみなされこれらの需要は低迷している。華道・茶道・盆栽・俳句などの教養分野は、わずかに一握りのインテリ層に受容され、禅や宗教など精神文化の領域は表面にはまったく現れていない。 タイでは、日本の食品や生活用品はすでに広く生活の中に定着している。日本食やインスタントめんなどは、日本の手を放れ自前で独自の加工を施したものも豊富に出回っている。マンガは日本のものが翻訳されて各種出版されており、タイ人によるマンガ制作も、タイ語や華僑向けの中国語のものが自前で出回るほどになっている。誤楽や実用・趣味の分野でも日本の生活文化は広く受容されていることがあきらかとなった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 白幡洋三郎: "世界に貢献するカラオケ" Echoes of Peace. No52. 10-12 (1996)
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[Publications] 白幡洋三郎: "ビ-フカレ-とカラオケ" イグザミナ. No.113. 26-28 (1997)
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[Publications] 白幡洋三郎: "食の国籍" 脳内グルメ 現代風俗96. 158-160 (1995)
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[Publications] 白幡洋三郎: "カラオケ・アニメが世界をめぐる-日本文化が生む新しい生活" PHP研究所, 246 (1996)
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[Publications] 井上章一: "グロテスク・ジャパン" 洋泉社, 221 (1996)
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[Publications] 飯田経夫: "日本の反省" PHP研究所, 205 (1996)
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[Publications] 飯田経夫: "アメリカの言いなりはもうやめよ" 講談社, 220 (1995)
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[Publications] 長田俊樹: "日文研叢書8ムンダ人の農耕文化と食事文化民族学的考察-インド文化・稲作文化・照葉樹林文化-" 国際日本文化研究センター, 1986 (1995)