1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06044043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甲元 眞人 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40205349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押川 正毅 東京大学, 工学部, 助手 (50262043)
初貝 安弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (80218495)
ANTHONY Zee カリフォルニア大学, 理論物理研究所, 教授
YONGーSHI Wu ユタ大学, 物理学部, 教授
永長 直人 東京大学, 工学部, 助教授 (60164406)
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Keywords | 場の理論 / 分数統計 / 電子相関 / ランダム行列 / ユニバーサリティー / 量子群 |
Research Abstract |
1.場の理論との関連もあり、最近、非常に興味を持たれている任意次元で適用可能な分数統計の概念を物性物理のいくつかの系に適用し新しい知見を得た。この新しい分数統計は、パウリの排他則を一般の場合に拡張したもので排他的分数統計と言うべきものであり非常に適用範囲が広い。 具体的には、甲元、初貝により以前に考察され出版されたいわゆるモット転移を示す電子相関を持つ可能なモデルをこの排他的分数統計により記述した。また、分数量子ホール系における有限温度の系を考えると、いわゆる準粒子、準正孔が共存し、今まで考察されたことのない状況が発生する。この系において、排他的分数統計を用いた考察を行い、異なる粒子系の間での相互統計とでも言うべき量が重要な役割を果たすことがわかった。更に、強相関電子系の典型的なモデルである、ハバ-ドモデルにおいてこの排他的分数統計を用いた解析をすることにより、強相関の極限において、一次元において、スピン-電荷の自由度の分離がおこることをあらわに示した。 2.ランダム行列において限られた場合に解析的に予想されていたユニバーサリティーが、より広いアンサンブルにおいても成立することを数値的手法により明らかにした。さらに、このランダム行列に関する、ユニバーサリティーの一次元電子系での役割を明らかにした。 3.量子ホール系の標準的モデルである、格子上での強結合電子系に対して、解析的な厳密解を発見することに成功した。系のハミルトニアンが特定の磁気的運動量の点においては、通常考えられているより高い対称性である、量子群U_q(sl_2)で支配されていることを用いあらわな解を発見した。その解析的な解から格子あたりの磁束が非常に小さい場合、またその値が無理数である場合等について、解析的にその極限を取り扱い、物理的観測量を解析的に得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Hatugai: "Explicit Solutions of the Bethe Ansatz Equations for Bloch Electrons in a Magnetic Field." Physical Review Letters. 73. 1134-1137 (1994)
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[Publications] T.S.Kobayakawa: "Universal Behavior of Correlations between Eigenvalues of Random Matrices" Physical Review E. (出版予定).
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[Publications] N.Nagaosa: "Tunneling through a barrier in a Coulombgos confined in a quantum wire." J.Phys.Soc.Jpn.63(2). 413-415 (1994)
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[Publications] N.Nagaosa: "Non magnetic Impurity in Spin Gap State" Phys.Rev.B. (出版予定).