1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06044134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 寛 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (40093364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOOCOCK Sara ラトガース大学, 教育学大学院, 教授
WILKINSON Lo ラトガース大学, 教育学大学院, 教授
SHIMAHARA No ラトガース大学, 教育学大学院, 教授
高田 一宏 大阪大学, 人間科学部, 助手 (80273564)
亀山 涼子 (木村 涼子) 大阪女子大学, 学芸学部, 助教授 (70224699)
平沢 安政 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (50243150)
友田 泰正 大阪大学, 人間科学部, 教授 (90087883)
麻生 誠 放送大学, 教養学部, 教授 (00014689)
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Keywords | マイノリティ教育 / 同和教育 / 地域教育計画 / 学校改革 |
Research Abstract |
1 米国での調査と資料収集:日本側スタッフが5月と11月に渡米し、マイノリティ教育の資料やPDS (Professional Development School)に関する聞き取りおよび資料収集を行った。PDSは、大学との協力関係のもと、教員の資質向上をはじめとする学校改革をめざす取り組みであり、本研究に多くの示唆を与えている。 2 日本での調査:7月の約1ヶ月間、米国スタッフが来日し、日本スタッフと共に計画書に記載した各種の調査を実施した。秋以降も、日本スタッフが調査活動を続けている。調査を通じて、同和地区の子どもの低学力や荒れの問題が解決されていないことの理由の一つとして、学校、青少年会館、子ども会、保育所、保護者の協力関係がないことが明らかになった。低学力や子どもの荒れの背景には、子育てに困難をかかえる親への支援策がないこと、就学前教育が不十分であること、学校が保護者や子ども会との意志疎通をはかっていないことなど、多くの問題が存在している。現在、学校や地域の教育関係者と、以上の知見について認識の共有をはかりつつ、新たな地域教育計画を検討している。低学力や荒れが解決されないことのもう一つの理由として明らかになったのは、教授法改善が失敗したことである。学校は、少人数制授業や抽出指導など、様々な試みをおこなってきた。これらのねらいは学業不振児の学力を向上させることにある。だが、実際には、学力水準が高い子どもにとって授業が魅力を失うばかりか、本来の対象であるはずの子どもの学力向上の効果もあがってない。一斉授業と個別化の関係、授業と家庭学習の関係、家庭学習の条件が整ってない子どもへの援助など、多くの検討すべき課題があることが明らかになった。今後、米国のPDSを参考に、研究協力者の協力のもと、学力保障の改革案を検討したい。
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