1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06044134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 寛 大阪大学, 人間科学部, 教授 (40093364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WILKINSON Lo ラトガース大学, 教育大学院, 教授
BOOCOCK Sara ラトガース大学, 教育大学院, 教授
SHIMAHARA No ラトガース大学, 教育大学院, 教授
高田 一宏 大阪大学, 人間科学部, 助手 (80273564)
木村 涼子 (亀山 涼子) 大阪女子大学, 学芸学部, 助教授 (70224699)
平沢 安政 大阪大学, 人間科学部, 教授 (50243150)
友田 泰正 大阪大学, 人間科学部, 教授 (90087883)
麻生 誠 放送大学, 教養学部, 教授 (00014689)
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Keywords | マイノリティ教育 |
Research Abstract |
4月に池田と伊藤(研究協力者)が渡米し、アメリカのマイノリティ教育に関する資料を収集した。5月下旬から7月上旬にかけては島原とブ-コックが来日し、日本側研究分担者とともに前年に引き続きフィールドワークを行った。同時に、調査対象校の隣接校区小学校や、府下のいくつかの同和保育所・幼稚園の視察も行った。8月以降は、日本側研究分担者が小学校・中学校・青少年センター等での調査を継続した。以上の調査と平行して、学校教育および青少年センターの取り組みや関係各機関の連携について、地元の教育関係者と意見交換を行い、教育改革の課題について論議を深めてきた。3月には池田、高田、若槻(研究協力者)が渡米し、米国側研究分担者とともに調査報告会を行った。以上の調査研究活動によって得られた主な知見は、以下の通りである。 第一に、調査対象校では従来からの集団主義的な学習指導や生活指導がいきづまっており、効力感や主体性の感覚を育てることを目標に改革が始まろうとしている。だが、具体的な方法論のレベルではまだ試行錯誤が続いている。第二に、青少年会館では地区の子どもを対象とする子ども会活動が行われてきたが、高学年になると子ども会離れがおき、子どもの荒れに対処できない状況が続いていた。最近、家庭生活に不安定な要因を抱えた子どもの支援策として青少年会館内に「学習相談室」が設けられ、個々人のニーズにあった家庭学習支援や生活相談が行われようとしている。第三に、学校・地域・家庭の連携については、保護者の自主的な学習活動や学校教育への参加をめざした改革が始まったが、それらの多くは部分的で実験の段階にとどまっている。 以上のように改革プロセスは緒についたばかりだが、調査を通じて研究者と地元教育関係者のパートナーシップが形成されたことは、大きな成果だった。
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