1994 Fiscal Year Annual Research Report
日本と中国に共通の危救植物の人為的保存と増殖に関する遺伝学的研究
Project/Area Number |
06044160
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
近藤 勝彦 広島大学, 理学部, 教授 (00110817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 親二 中国科学院, 植物研究所, 助教授
葛 頌 中国科学院, 植物研究所, 助教授
張 大明 中国科学院, 植物研究所, 助教授
陳 瑞陽 南開大学, 生物系, 教授
洪 徳元 中国科学院, 植物研究所, 教授
横田 昌嗣 琉球大学, 理学部, 助教授 (90166885)
船本 常男 昭和薬科大学, 講師 (90199414)
日詰 雅博 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30116967)
島田 多喜子 石川県農業短期大学, 農業資源研究所, 教授 (20170946)
田中 隆荘 広島市立大学, 学長 (00033796)
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Keywords | 遺伝的多様性 / 海南島 / 絶滅の危機に瀕する植物 / 青海省東部高山 / 染色体比較研究 / 組織培養 / 増殖と保全 / 日中両国 |
Research Abstract |
日中両国の絶滅の危機に瀕する植物の研究、増殖と保全に関する基準ずくりの3年間にわたる共同作業が始まった。島田は、海南島に出かけ、2種の野性稲の生育場所を調査し、変異性高いことを把握した上で、植物体と種子を採集し、組織培養始めた。そして、島田が再度南開大学へ出かけ、培養系の確立をした。中国政府は、野性稲の遺伝子の国外持ち出しを厳しく規制しており、日本での研究はできないので、今後は中国側分担者に研究を委ねることとなった。日詰は、10月中旬から下旬にかけて、青海省東部高山で、中国西部で稀なマツ科トウヒ属の調査、研究を行った。標高の高い地帯でPicea crassifoliaを研究し、低い地域に自生するPicea wilsonilとは分布の境界地域で同所していたが、雑種による遺伝的汚染は無いと結論ずけた。現在、また、同省から原始的タイプのニンニク(ユリ科)持ち帰り、ISH法を用い、日本の栽培ニンニクと染色体比較研究を行った。また、中国産ソテツを持ち帰り、染色体を研究した。船本は、日詰と行動を共にして、ユキノシタ科4属7種を採集し、日本に持ち帰って染色体の分析を行っている。Hydrangea bretschneideriには、同属によくみられる種内培数性は見られなかった。Philadelphus incansは2n=26で、種名の異なる日本産のものと何等違いは無いことが分かった。日詰と船本は、また、近藤の材料であるキク類Ajavia属植物の生個体と種子を多く採集した。近藤はそれらを使って、現在、分析を進めている。横田は、1月中旬に、海南島へ出かけ、絶滅危惧種のラン科数種(名前が分かっているものだけで4種)、サトイモ科1種、イラクサ科4種を調査、採集して、日本に持ち帰った。以上の主要危救植物は、日本で組織培養系を確立し、それらをもとに諸研究の展開を進めつつある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hizume,M.: "Chromosome localization of 18S and 5S rRN A genes in garlic,Allium sativum" Chromosome Information Service. 56. 6-8 (1994)
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[Publications] Hizume,M.,Yamasaki,Y.,Kondo,K.,Yang,Q.,Hong,D.and Tanaka,R.: "Fluorescent chromosome bandings in two Chinese varieties of Larix gmelinii,Pinaceae" La Kromosomo. II-74. 2563-2570 (1994)
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[Publications] Kondo,K.and Tanaka,R.: "Chromosome studies of Ajania and its allied genera" Proceedings of the International Compositae Conference. in press (1995)
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[Publications] Kondo,K.,Tanaka,R.,Hong D.,Hizume,M.,Yang,Q.and Nakata,M.: "Cytogenetic studies on wild Chrysanthmum sensu lato in China V.Chromosome study of three species of Ajania,Cancrinia maximowiczii and Dendranthema lavandulifelium" Journal of Japanese Botany. 70. 85-94 (1995)
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[Publications] Kondo,K.: "A chromosome comparison of Ajania in Qinhai highlands" Journal of Japanese Botany. (under preparation).
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[Publications] Shimada,T.: "Tissue-culture conservation of wild rice in China" Bulletin of the Research Institute of Agricultura Resiurces,Ishikawa Agricultural College. 5(under preparation). (1995)