1995 Fiscal Year Annual Research Report
脳内γ-アミノ酪酸(GABA)_B受容体の構造と機能に関する共同研究
Project/Area Number |
06044193
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
栗山 欣弥 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20079734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SARVEY John ユニホームドサービス大学, 医学部, 教授
BOWERY Norma ロンドン大学, 薬学部, 教授
廣内 雅明 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70181196)
木村 宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40079736)
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Keywords | GABA_B受容体 / 精製 / G蛋白質連関型受容体 / モノクロナル抗体 / Gi蛋白 |
Research Abstract |
GABA_B受容体がGiと共軛し、アデニレートサイクラーゼ活性を抑制することを直接的に明らかにした。すなわち、現在までにGタンパクには種々のタイプが存在することが知られているので、GsやGoを含まず、Giだけを有している標品を調製した。この標品をGABA_B受容体やアデニレートサイクラーゼ標品とともに再構成したところ、GABA_B受容体刺激によりフォルスコリン刺激下のcAMP生成を著明に減少させた。これらの結果より、GABA_B受容体がGタンパク連関型の受容体として機能していることを証明することができた。一方昨年度において、ウシ大脳皮質よりイムノアフィニティーカラムを用いて精製したGABA_B受容体標品から、アミノ酸配列の一部が明らかとなった。この配列は、ある種のGタンパク連関型受容体の膜貫通領域の一部に認められる配列と相同性を示すものであった。そこで、Gタンパク連関型受容体の膜貫通領域の中の特に保存性が高いと思われる配列を2番目と3番目の膜貫通領域から選び、PCR法による検討を行った。ウシ及びマウス脳由来のcDNAを材料に用いた場合には、可能性のある結果は得られなかったが、ラット由来のもので検討したところ、Gタンパク連関型受容体と思われる新規のcDNAクローンを得ることに成功した。このcDNAは278bpの長さを有し、3番目から5番目にかけての膜貫通領域に位置するものと考えられた。そこで、このcDNAをプローブとして、ラット胎児脳からのcDNAライブラリーをスクリーニングし、数個の陽性クローンを得ることに成功した。これらのクローンはいずれも約1.5〜3kbpの長さを持つことから、Gタンパク連関型受容体の翻訳領域全長を含む可能性が高く、現在その塩基配列の決定とその機能解析をしているところである。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Nakajima K.: "Immunohistochemical demonstration of GABA_B receptors in the rat gastrointestinal tract" Neurochemical Research. 21. 211-215 (1996)
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[Publications] Kuriyama K.: "Molecular Pharmacology of cerebral GABA_B receptor" Pharmacology & Therapeutios. (印刷中).
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[Publications] Kuriyama K.: "Cerebral GABA receptors" Alcohol & Alcoholism. (印刷中).
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[Publications] Kuriyama K.: "Alteration in cerebral GABA_B receptor functions during formation of alcohol dependence" Alcohol & Alcoholism. (印刷中).
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[Publications] Katsura M.: "Increase of diazepam binding inhibitors mRNA level in the brain of continuously ethanol-treated and withdrawn mice" Journal of Pharmacology & Experimental Therapeutics. 273. 1529-1533 (1995)
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[Publications] Ohkuma S.: "Nitric oxide-induced [^3H] GABA release is mediated by peroxynitrite" Journal of Neurochemistry. 65. 1109-1114 (1995)
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[Publications] Nakayasu H.: "Diversity of Interacting Receptors (L.G.Abood & A.Lajtha eds.)" New York Academy of Sciences, 12 (1995)
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[Publications] Hirouchi M.: "GABA ‘95 Proceedings" Birkhauser Veriag AG (印刷中), (1995)
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[Publications] Kuriyama K.: "The GABA Receptors (Second Edition)" Humana Press (印刷中),
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[Publications] 栗山欣弥: "第24回日本医学会総会会誌 II" (財)名古屋大学出版会, 2 (1995)
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[Publications] 栗山欣弥: "脳・神経・タンパク質(野村靖幸 編)" 広川書店, 16 (1995)
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[Publications] 大熊誠太郎: "第24回日本医学会総会会誌 II" (財)名古屋大学出版会, 2 (1995)