1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06044224
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
内藤 靖彦 国立極地研究所, 研究系, 教授 (80017087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ELVEBAKK Arv トロムソ大学, 生物地理研究所, 助教授
WIELGOLASKI フランスエミル オスロ大学, 植物研究所, 教授
和田 直也 富山大学, 理学部, 助手 (40272893)
綿貫 豊 北海道大学, 農学部, 助手 (40192819)
WHARTON Robe ネバダ大学, 砂漠研究所, 副所長
小泉 博 農業環境技術研究所, 環境生物部, 主任研究員
中坪 孝之 広島大学, 総合科学部, 助手 (10198137)
佐々木 洋 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (10183378)
柏谷 博之 国立科学博物館, 植物研究部, 室長 (10000142)
WASSMANN Pau トロムソ大学, 水産科学部, 研究員
BROCHMANN Ch オスロ大学, 植物園, 教授
沖津 進 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (70169209)
谷村 篤 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (10125213)
伊野 良夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30063697)
小島 覚 富山大学, 理学部, 教授 (80115138)
吉田 勝一 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (50083407)
MITCHELL Bra スクリプス海洋研究所, 教授
増沢 武弘 静岡大学, 理学部, 教授 (40111801)
工藤 栄 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 助手 (40221931)
大山 佳邦 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (30044788)
神田 啓史 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (70099935)
福地 光男 国立極地研究所, (南極圏環境モニタリング研究センター), 教授 (80099936)
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Keywords | 北極 / モレーン / 生態系 / 氷河末端域 / 蘚類 / 節足動物 / 土壌呼吸 / 繁殖生態 |
Research Abstract |
1996年度は環境変動が植生の変化や土壌呼吸速度にどの様に影響を及ぼすかを明らかにするために、6名の研究者を現地に派遣した。実施した研究はスバールバル、スピッツベルゲン諸島ニーオルスンの東ブレッカー氷河後退域において、植生と環境調査、土壌および根茎の呼吸調査、および繁殖生態調査が実施された。なかでも初年度に設置された4箇所の木製柵による観測定点での観測が実施された他、ラテラルモレーンの一箇所には予備的に人工環境操作チャンバー(OTC)を設置して観測が続けられた。チャンバーの素材、環境の変化、測器類の耐寒、耐水性テストがなされた。また植生の変化の程度、移植実験の可能性について確かめられた。 観測の成果としては植生と環境調査、および土壌と根茎の呼吸速度の観測では興味深い結果が得られた。すなわち、観測定点周辺のポリゴンの調査では植物および土壌節足動物の多様性が大きいことと、それらが凍上および地温に関係するという興味深いデータが得られた。これは生物の生育環境としてのポリゴンの役割を議論する上で貴重なデータとなった。また、土壌および根茎の呼吸速度の観測では、実験室内での制御され条件での測定を行い、温度上昇に伴って呼吸速度は指数関数的に上昇するが、5度以上の温度では温度依存性が急に高くなり、これは温帯域のものより高かった。これらを更に検証するためにより長期的な実験が必要であるが、今後、計画を展開する上で重要なポイントとなるものと考えられる。さらに、繁殖生態の調査ではチョウノスケソウの雪解け傾度に伴う開花フェノロジー、花の性表現、とくに高緯度地域での日光屈性、種子生産の制限要因について観測された。生育期間の短い寒冷地では、季節に応じて雄花、雌花の出現率に変化が生じるなど興味深い繁殖戦略の特性が明らかにされた。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 南佳典、沖津進、神田啓史: "ニーオルスン氷河後退域周辺モレーン上の植物群落と地形的要因" 第19回極域生物シンポジウム講演要旨集. 83 (1996)
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[Publications] 沖津進、南佳典、神田啓史: "ニーオルスン氷河後退域モレーンにおける植生の発達と表面礫構成との関係" 第19回極域生物シンポジウム講演要旨集. 84 (1996)
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[Publications] 神田啓史、南佳典: "北極氷河末端域における植生の定着と発達" 第19回極域生物シンポジウム講演要旨集. 85 (1996)
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[Publications] 久米篤、別宮有紀子、中坪孝之: "北極ニーオルスンにおけるムラサキユキノシタの生育形と繁殖特性との関係" 第19回極域生物シンポジウム講演要旨集. 86 (1996)
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[Publications] 和田直也: "スバルバ-ル諸島ニーオルスンにおけるチョウノスケソウの繁殖性" 第19回極域生物シンポジウム講演要旨集. 87 (1996)
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[Publications] 中坪孝之、別宮有紀子、久米篤、小泉博: "北極ニーオルスン氷河後退域における根の呼吸について" 第19回極域生物シンポジウム講演要旨集. 88 (1996)
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[Publications] 別宮有紀子、中坪孝之、久米篤、小泉博: "北極ニーオルスン氷河後退域における土壌呼吸の温度依存性について" 第19回極域生物シンポジウム講演要旨集. 89 (1996)
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[Publications] 吉田勝一、大山佳邦: "ポリゴンにおける土壌小型節足動物の微小生息域" 第19回極域生物シンポジウム講演要旨集. 90 (1996)
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[Publications] Minami,Y.,Kanda,H.and Masuzawa,T.: "The relationship between distribution of bryophytes and soilconditions on deglac atedarctic terrain in Ny-Alesund" Proc.NIPR Symp.Polar Biol.No.9. 307-312 (1996)
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[Publications] Wielgolaski,F.-E.and Johnson,E.-E.: "Adaptation in tundra plants examplified by transplantation studies at two latitudes" Proc.NIPR Symp.Polar Biol.No.9. 313-324 (1996)
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[Publications] Kojima,S.: "Structure of Eriophorum tussock tundra ecosystem in northern Yukon Territory,Canada" Proc.NIPR Symp.Polar Biol.No.9. 325-334 (1996)
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[Publications] Maruta,E.,Nakano,T.,Ishida,A.,Iida,H.and Masuzawa,T.: "Water relations on Pinus Pumila in the snow melting season at the alpine region of Mt.Tateyama" Proc.NIPR Symp.Polar Biol.No.9. 335-342 (1996)
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[Publications] Bolter,M.and Kanda,H.: "Preliminary results of botanical and microbiological investigations on Severnaya Zemlya 1995" Proc.NIPR Symp.Polar Biol.No.10. 169-178 (1997)
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[Publications] Okitsu,S.: "Distribution,growth and regeneration of Larix gmelinii (Rupr.) Rupr.along the timberline ecotone of Mt.Dal'nyaya Ploskaya,central Kamchatka" Proc.NIPR Symp.Polar Biol.No.10. 179-187 (1997)
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[Publications] Kojima,S.,Tsubota,M.and Wada,N.: "Growth responses of two alpine plants to artificially generated warmed environment in Tateyama Ranges,Toyama,Japan" Proc.NIPR Symp.Polar Biol.No.10. 188-195 (1997)
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[Publications] Slagstad,D.and Wassmann,P.: "Climate change and carbon flux in the Barents Sea : 3-D simulations of ice-distribution,primary production and vertical export of particulate organic carbon" Spec.Issue of Mem.Natl Inst.Polar Res.No.51(投稿中). (1997)
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[Publications] Yamaguchi,Y.,Miyahara,T.,Matsuda,O.and Kudoh,S.: "Primary production of phytoplankton in high Arctic Kongsfjorden,Svalbard" Spec.Issue of Mem.Natl Inst.Polar Res.No.51(投稿中). (1997)