1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06044240
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
田中 琢 奈良国立文化財研究所, 所長 (40099958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 光冀 中国社会科学院考古研究所, 副所長
徐 萃芳 中国社会科学院考古研究所, 前所長
任 式南 中国社会科学院考古研究所, 所長
佐川 正敏 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 研究官 (40170625)
玉田 芳英 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究官 (90188425)
浅川 滋男 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 主任研究官 (90183730)
町田 章 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 部長 (90000471)
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Keywords | 発掘調査 / 永寧寺 / 木塔 / 西門 / 塑像 / 菩薩 / 供養人 / 北魏洛陽城 |
Research Abstract |
平成6年度は、中国河南省洛陽市に所在する北魏洛陽城永寧寺跡の発掘調査を中国社会科学院考古研究所と共同で実施した。永寧寺は5世紀後半台に建てられた巨大な木塔がある遺跡として著名であり、朝鮮・日本における古代仏教寺院のルーツとされている。塔跡については、1979度に実施し巨大な方形実心の須彌壇を発見している。そのご、大殿・南門跡の発掘調査を行ってきたが、今年度は西門を発掘することになった。中国において共同の発掘調査はなにかと制約があるが、中国社会科学院考古研究所との共同調査ということで玉田・次山の両名を発掘期間中現地に派遣することができた。 西門の遺構は、後世の攪乱によって破壊されているところが多かったが、掘込み地形の版築層と一部に残る礎石痕跡によって規模を想定することが可能になった。門跡の平面は南北24〜30m、東西18.4mをはかり、間口7間、奥行き2間の建物であることが判明した。門の東西妻側には幅2m内外の築地が接しその白壁には彩色の痕跡が残っていた。 同時に行った、塔周辺の発掘では堂内の壁龕に安置されていた塑像が火災によって土人形の状態で発見された。塑像は大中小に分類され、仏像、供養人などの人物像の外、獅子・草木などを含む。いずれも型作りではなく手作りであり、同時代の石窟寺院の仏像に比べて格段に優れたものである。先の調査分を含めると破片総数は数千点に達し、その整理作業にも着手している。 発掘調査の記録と出土遺物の整理を続行しながら、平成7年度にはこれまでの発掘成果をまとめた報告書の出版を計画し、各方面から大きな期待を寄せられている。
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[Publications] 町田 章: "中国考古学事情" 月刊文化財発掘出土情報. 増刊号. 174-182 (1994)
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[Publications] 町田 章: "日本都城の原型" 季刊考古学別冊5古代都市文化と考古学. 12月. 63-72 (1994)
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[Publications] 中国社会科学院考古研究所 奈良国立文化財研究所: "北魏洛陽永寧寺発掘調査報告" (出版予定), (1995)