1995 Fiscal Year Annual Research Report
日中両国における漁業管理の比較研究-漁業技術を中心として-
Project/Area Number |
06045013
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
松田 皎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (90026485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬 栄 青島海洋大学, 水産学院, 講師
劉 群 青島海洋大学, 水産学院, 助教授
陳 大剛 青島海洋大学, 水産学院, 教授
候 恩淮 青島海洋大学, 水産学院, 教授
高 清廉 青島海洋大学, 水産学院, 教授
東海 正 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (30237044)
兼広 春之 東京水産大学, 水産学部, 教授 (80134857)
佐藤 要 東京水産大学, 水産学部, 教授 (20017073)
小野 征一郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40017075)
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Keywords | タイウオ資源 / 過剰漁獲 / TAC制度 / 東海・黄海 / 国際漁業管理 |
Research Abstract |
中国の責任ある当局者によれば、95年度から、7・8月の2ケ月間、タチウオ資源を保護するため、底曳網漁業・張網漁業の禁漁を決定し、将来も継続していくとのことであった。さらに定置網においても、6〜9月の間に2ケ月間禁漁することが決定されている。これにより5月に産卵するタチウオの幼魚がかなり保護できよう。中国でも資源管理がかなり積極的に実施され、むしろ日本よりも早い印象を受けた。 中国側は長崎において西海区水産研究所、県水試、栽培漁業センター等を訪問し、漁業技術の実態を調査し資料収集に努めた。昨年から積極的に資料交換を試み、西海区水研の収集資料をあわせれば相当量にのぼる。これらの資料解析を進め、96年度の共同セミナーにつなげていくことが重要である。 日本と中国の共同漁場である東海・黄海は、最盛時とくらべ資源量が激減している。過剰漁獲であることは周知の通りであり、中国、さらには韓国漁業におされ日本の以西底曳網漁業・トロール網漁業・大型まき網漁業の苦闘が続いている。国連海洋法条約の批准に伴い、東経135度以西にも経済的排他水域を設定し、TAC制度を導入することが予定されている。 地中海・アラビア海とともに経済的排他水域が設定されていない、数少ない水域である東海・黄海は、日本・中国・韓国を中心として国際漁業管理機関を設立し、漁業資源の共同管理を進めることが将来の課題である。現実には資源把握のための資料収集がようやく緒についている段階にとどまるが、共同研究・共同調査により一歩一歩ハードルを乗り越えていくことが求められている。領土問題、政治体制の相違等の困難な問題のなかで、漁業資源の共同管理は不可避の課題である。
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[Publications] 松田皎・胡夫祥・佐藤要: "中層トロールシステムの動的制御特性に関する海上実験" 日本水産学会誌. 60(4). 493-497 (1994)
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[Publications] 小野,征一郎: "水産食料問題" 協同組合経営研究所 研究月報. NO.507. 76-81 (1995)
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[Publications] 佐藤要・武田誠一・小林顕太郎: "実波浪スペクトルとその波浪中船体応答" 日本航海学会論文集. 87. 1-10 (1993)
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[Publications] 兼広春之・藤井寛美・鈴木誠: "ナイロンテグスの疲労破壊形態" 日本水産学会誌. 58(12). 2321-2325 (1992)
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[Publications] 東海正・松田皎: "瀬戸内海における小型底曳網漁業の非有用投葉魚と網目選択性" 日本水産大学誌. 60(3). 347-352 (1994)
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[Publications] 松田 皎: "漁業の混獲問題" 恒星社厚生閣, 114 (1995)