1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06045041
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永武 毅 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30164445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
プラシット タラビチクル チェンマイ大学, 付属病院・中央検査部, 助教授
チラ シリサンタナ チェンマイ大学, 医学部, 学部長
真崎 宏則 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (40244058)
小林 忍 長崎大学, 医学部・付属病院, 助手 (10274656)
秋山 盛登司 長崎大学, 医学部・付属病院, 助手 (50244067)
渡辺 貴和雄 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (20220874)
大石 和徳 長崎大学, 医学部・付属病院, 講師 (80160414)
力富 直人 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (70175032)
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Keywords | タイ国 / 急性呼吸器感染症 / 市中肺炎 / シプロフロキサシン / MIC / 有効率 / 併用療法 |
Research Abstract |
タイ国を含む東南アジア地域では主要な死因の一つとして肺炎を初めとした急性呼吸器感染症があげられる。今回我々は「タイ国における急性呼吸器感染症治療法の研究」において、平成7年度の結果に基づいて「市中肺炎」の有効な治療法を推奨し、それに基づく治療の効果判定を行った。まず、平成7年度の結果としてインフルエンザ桿菌、肺炎桿菌などにおいて、ゲンタマイシンよりシプロフロキサシンのほうが明らかにMICが良好であったため、以下のプロトコールで治療を行うこととした。 軽症肺炎にはぺニシリンGを単独で使用し、中等症あるいは重症肺炎にはペニシリンGとゲンタマイシンを併用するかぺニシリンGとシプロフロキサシンを併用することとした。軽症肺炎とは、胸写において一葉の範囲以下の浸潤影、中等症ないし重症肺炎はその範囲以上の浸潤影とし、体温、呼吸数、全身状態、検査値などを参考にして決定した。 l997年1月から2月にかけてチェンマイ市ナコンピン病院の外来を受診し肺炎にて入院した患者は男性12名、女性7名、計19名であった。平均年齢は44.2歳、基礎疾患としては、心不全、糖尿病、貧血が各2例、その他喘息や大腸癌などであった。治療経過中および細菌性肺炎でない症例を除外し、14例について検討した。なお、男性2例、女性1例はHIV陽性であった。起炎菌としては、肺炎球菌、ブドウ球菌、コリネバクテリウム属が2例ずつ、インフルエンザ菌、緑膿菌が各1例などであった。治療としてペニシリンGが単独で3例に、ぺニシリンGとゲンタマイシンの併用が2例に、ぺニシリンGとシプロフロキサシンの併用が8例になされ、その他1例であった。その他を除く各々の有効率は0%、50%、100%でペニシリンGとシプロフロキサシンの併用療法による治療の有効率は極めて高かった。今後症例を重ね、ペニシリンGとシプロフロキサシンの有用性を確認し、推奨していく予定である。
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