1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06301007
|
Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
武藤 三千夫 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (50015301)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 彰 大分大学, 教育学部, 助教授 (70223344)
利光 功 玉川大学, 文学部, 教授 (00074310)
岡田 三郎 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (90040732)
石川 毅 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10008063)
鈴木 博之 東京大学, 工学部, 教授 (00011221)
|
Keywords | エコロジー / 環境美 / ユートピア性 / パブリック・アート / サウンド・スケープ / 市民有機体 / エコ・ミュゼ / カルチュラル・コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は、大別して1.理論研究-環境美学あるいはエコロジー的美学-、2.個別研究-現代社会における諸藝術と美的文化の環境-に分かたれる。そこで先ず、1.の(1)「美的環境形成論」で代表者武藤が、現代における自然美から環境美へのパラダイム転換の必然性を都市について論証し、岡田は、プラトーンの善き魂の視た光景の美のヴィジョンを取り上げ、関連して流動する風景を考察した。(2)「ユートピアと藝術都市」で平山は、藝術のユートピア性と都市内外の自然美、特に庭園を考察し、関村は、プラトーンの『国家』のポリスのユートピアを基礎づける藝術について考察した。次に2.の個別研究では、(1)「メディア・アートの環境」で村山は、特に写真を取り上げ、シャルル・マルヴィルとウ-ジュヌ・アッジュの都市への視点の比較をし、副島は、時間藝術としてのテレビの可能性を論じた。(2)「音環境」で庄野と益田は、サウンドスケープをも包括する音楽デザイン概念を用いて、音環境の新たな可能性を追求した。(3)「複製藝術」で石川と井村は、阪神大震災の教訓に鑑み都市を市民有機体としての生きたポリスの模倣とし、複製メディアを現代のもう一つのパブリックアートとして論じた。(4)「絵画空間の環境」で利光は、景観の四要素を挙げ、特に那覇市、大分市を実地調査し、さらに景観を絵画に留めた画家の実例を整理した。さらに鹿島は、ヴェドゥ-タ(都市景観図)研究の延長として「洛中洛外図」を考察し、また小俣は、絵画が流通する社会環境を論じた。(5)「立体造形」で河野は、都市中心部の整備に伴う問題解明のために、集中的に福岡市天神地区を調査・分析し、椎原は、エコ・ミュゼの視座からパリ市の二公園を考察した。(6)「都市計画と環境」で鈴木は、東京の著名建築の土地所有と利用の変遷を調査・整理し、佐藤は、都市環境のカルチュラル・コミュニケーションの問題を考察した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 武藤 三千夫: "美学会第四十五回全国大会報告 自然美から環境美へ-環境美学の構想-" 『美学』第一七九号. Vol.45,No.3. 74- (1995)
-
[Publications] 鹿島 亮: "The Depiction of Drums in RAIGOHZU Paintings-Application of Descriptive Geometry to Research on Japanese Musical Iconography-" Proceeding of 6th ICECGDG 19-23 August 1994,Tokyo,Japan. Vol.1. 101-105 (1994)
-
[Publications] 井村 彰: "現実を浸食するユートピア-テーマパークについての試論-" 平成4年度科学研究費報告書『成熟社会における藝術的都市環境-比較藝術学研究』. 63-73 (1993)
-
[Publications] 関村 誠: "テュポスによる受容-プラトン『国家』376e-383c-" 東京藝術大学美術学部美学研究室編『カリスタ』第一号. 23-37 (1994)
-
[Publications] 益田勇一: "ニーチェ-芸術と教育-" 埼玉純真女子短期大学研究紀要 第11号. 99-113 (1995)
-
[Publications] 椎原伸博: "美の連帯について-芸術批評におけるプラグマティズム的視点" 東京芸術大学美術学部美学研究室編『カリスタ』第一号. 71-95 (1994)