1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06301036
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
江淵 一公 九州大学, 教育学部, 教授 (60036845)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉谷 武志 九州大学, 教育学部, 助教授 (60182747)
佐藤 郡衛 東京学芸大学, 海外子女教育センター, 助教授 (20205909)
前平 泰志 京都大学, 教育学部, 助教授 (70157155)
馬越 徹 名古屋大学, 教育学部, 教授 (60000030)
天野 正治 筑波大学, 教育学系, 教授 (50000055)
|
Keywords | 外国人子女教育 / 異文化間教育 / 多文化教育 / 二言語教育 / 外国人移住労働者教育 / 在日外国人教育 / 教育政策研究 / 異文化共生教育 |
Research Abstract |
本研究は主要先進工業国において増加している外国人移住労働者・労働移民の子どもたちの実態とそれに対応する教育の政策的、理論的、実戦的諸問題を文献並びに各種調査報告資料に基づいて比較研究することを目的として実施され、以下のような知見を得、その報告書を刊行した。 1.各国の政策と実践上の特色を明らかにするとともに、その比較研究において以下のような特徴がみいだされた。すなわち、(1)アメリカ及びオーストラリアのいわば移民国家では二言語教育、多文化主義教育が国家及び州レベルのみならず各学区レベルにおいても積極的に取り組まれ、各国文化の受容と共に多文化の共存による子どもたちのアイデンティティの確立が模索されていること、(2)イギリス、ドイツ、フランスにおいては移民子弟の母文化、母語の保持が配慮されているが、他方で移民の世代が経るにしたがって、むしろ彼らを積極的に各国民として統合するための方策が優先され始めていること。(3)そのうち後二者においては、冷戦終結による一つのドイツの実現と東欧地域からの移住民の帰国、EUへの統合化などを展望してヨ-ロピアン・ディメンションを模索するための異文化間教育、国際理解教育が推進されようとしていること、などが明らかになった。 2.上記の比較研究の成果と共に、日本における定住外国人(華僑系中国人及び朝鮮半島からの移住者)の民族教育の現状、日系外国人とその子どもたちへの社会教育事業、学校教育及びその両者の連携について実地調査を実施し、比較的知られていないその実情について明らかにした。 3.各国のこうした教育の政策的、理論的、実践的な状況を報告書としてまとめ、そこにおいて日本における外国人労働者とその子どもたちとの共生の実現のための理論的、制度的、実践的な方策の具体例を提示した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 江淵一公: "異文化間教育学の可能性-問題提起-" 異文化間教育. 10. 4-20 (1996)
-
[Publications] 吉谷武志: "フランス政府の異文化間教育政策について-ECへの報告書から-" フランス教育学会紀要. 7. 67-76 (1995)
-
[Publications] 天野正治: "ドイツにおける外国人子女の教育-国際学校・外国人学校についての調査旅行覚書" 筑波大学「比較・国際教育」. 4号(印刷中). (1996)
-
[Publications] 前平泰志: "成人の異文化間教育-その比較可能性と方法論的課題" 日本社会教育学会編「日本の社会教育」. 39集. 180-189 (1995)
-
[Publications] リングホ-ファー・マンフレッド: "平和教育における民族問題" 大阪産業大学産業研究所「平和学-平和論文集」. (印刷中). (1996)
-
[Publications] 野元弘幸: "機能主義的日本語教育の批判的検討-「日本語教育の政治学試論-」" 埼玉大学紀要(教育学部). 4.5-1(印刷中). (1996)
-
[Publications] 中西晃・佐藤郡衛 編著: "外国人児童・生徒教育への取り組み" 教育出版, 198 (1995)