1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06301070
|
Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大山 道広 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (10051517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 衛士 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (80137976)
塩澤 修平 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (90146564)
出井 文男 神戸大学, 経営学部, 教授 (90093541)
矢野 誠 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (30191175)
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
|
Keywords | 環境資源 / 商品貿易 / 経済援助 / 資本移動 / 持続可能な発展 / 環境基準 / 汚染者支払原則 / 累積債務 |
Research Abstract |
本研究は、商品貿易、資本移動、経済援助など、国際的なモノ、ヒト、カネの移動と環境資源をはじめとする希少な資源の公正かつ効率的な利用との関係を解明し、世界経済の「持続可能な発展」のための国際新秩序のあり方を模索しようとするものである。2年間にわたる共同研究の最終年に当たり、参加者は各自の分担課題についての研究を深め、相互の交流をはかりながらその完成につとめた。まず、8月に慶応義塾大学三田キャンパスで開かれたエコノメトリック・ソサエティ(国際計量経済学会)の第7回世界大会に全員が参加し、それぞれの課題にかかわる研究報告を聴取するかたわら、初回の会合を持った。その後、9月、11月、12月、1月、2月とほぼ毎月1回のペースで研究会を開いた。本年度の活動を通じて、次のような研究成果が得られた。第1に、自由貿易それ自体は環境資源を含む経済資源の効率的な利用に資するものであり、GATTが標榜し、WTOに継承された自由貿易の原則を修正すべきではない。グローバルな環境問題に関しては、すべての諸国に共通の環境基準を適用し、汚染者支払の原則にしたがって対処するとともに、国際的な所得再分配を通じて環境コストの公正な負担を実現することが望ましい。(大山、矢野、細田に関連研究がある。)第2に、使途を特定しない経済援助が環境問題を悪化させる必然性はない。しかし、経済援助を環境改善や経済発展に資するようにデザインすることは可能である。(吉岡、出井)第3に、環境資源を広い意味の社会資本としてとらえ、その保全が生産性に及ぼす長期的効果の理論的、実証的分析を試みた。(高橋)第4に、途上国の累積債務、国際金融協調などの動学モデルを構築し、国際資本移動の研究を進めた。しかし、時間の制約によって環境問題への応用は今後の課題として残された。(西村、矢野、大山、塩沢)
|
Research Products
(12 results)
-
[Publications] Michihiro Ohyama(with R. Jones): "Technology Choice, Overtaking and Comparative Advantage" Review of International Economics. 3(2). 224-234 (1995)
-
[Publications] Michihiro Ohyama: "Professor Bhagwati on Trade and the Environment" Presented at the 1995 convention of Japan Association of International Economics.
-
[Publications] Kazuo Nishimura Michihiro Ohyama: "External debt cycles" Structural Change and Economic Dynamics. 6. 215-236 (1995)
-
[Publications] Kazuo Nishimura (with Junsen Zhang): "Sustainable Plans of Social Security with Endogenous Fertility" Oxford Economic Papers. 47. 182-194 (1995)
-
[Publications] Makoto Yano: "Non-linear Dynamics and Chaos in Optimal Growth : An Example" Economet. 63(4). 981-1001 (1995)
-
[Publications] Fumio Dei: "Industrialization and Expectations in A Small Open Economy" Mimeo. (1995)
-
[Publications] Eiji Hosoda: "On asymmetry of price control and quantity control in an environmental policy" Keio Economic Society Discussion Paper Series. 9502. 1-17 (1995)
-
[Publications] Harutaka Takahashi: "The Long-run Effects of Public Infrastructure Capital : An Application of the Johansen Procedure" Mimeo. (1995)
-
[Publications] 吉岡 忠昭: "公共財の配分メカニズムと私的インセンティヴ" 経済貿易研究研究所年報. 20. 61-69 (1994)
-
[Publications] Shuhei Shiozawa: "Philanthropy As A Corporate Strategy" The Japanese Economic Review. 46(4). 367-382 (1995)
-
[Publications] 細田 衛士: "排出権売買の経済学的基礎" 季刊環境研究. 97. 63-72 (1995)
-
[Publications] 吉岡 忠昭: "国際的トランスファーの基礎理論" 三菱経済研究所, 68 (1995)