1995 Fiscal Year Annual Research Report
近畿・中国地方における地籍図類の歴史地理学的活用に関する総合的研究
Project/Area Number |
06301086
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
小林 健太郎 滋賀大学, 教育学部, 教授 (60024923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 章二 滋賀県立短期大学, 農業経済科, 助教授 (40190649)
喜多 朝子 神戸山手女子短期大学, 教育学部, 教授
高重 進 岡山大学, 教育学部, 教授 (70032745)
桑原 公徳 仏教大学, 文学部, 教授 (20066327)
川村 博忠 山口大学, 教育学部, 教授 (80044436)
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Keywords | 近畿地方 / 中国地方 / 地籍図 / 歴史地理学 / 景観 |
Research Abstract |
本年度は平成6年度から3年計画で下賜された研究の第2年目にあたり、本年度1回目(通算3回目)の全体研究会を7月21日に滋賀大学教育学部で開催し、昨年度の研究成果をもとに本年度の研究計画について協議した。また、2月5日には2回目(通算4回目)の全体研究会を滋賀大学教育学部で開催し、これまでの調査研究の中間報告を行なうとともに、最終年度を迎える来年度の研究および来年度末に発行を予定している「研究成果報告書」について協議した。今年度、滋賀大学教育学部に在籍する3名は滋賀県志賀町を対象に共同で現地調査を行う一方、それぞれの研究成果に応じて資料収集を進めた。桑原公徳は昨年度に引き続き島根県出雲市・大社町・斐川町の調査を通じて明治期作成地籍図の種類別特徴を整理し、川村博忠は山口県内の地籍図について様式変化を追求した。高重進は岡山県下を中心に資料収集を進めながら地租改正に至る過程における在地の動向を検討しており、松尾容孝は地籍図による旧鳥取城下町の、一部地目別をも含めた復原図、および現鳥取市域の農村部を対象に江戸末期の地割図を作成している。喜多朝子は山口県秋吉台を対象にカルスト台地独特の土地利用形態である窪畑の分布と系譜を調査し、田中欣治は三重県南部で地籍図類の悉皆調査を継続してきた。水野章二は滋賀県下を中心に地籍図類を利用した中世村落の研究を進め、島津俊之は奈良県大和高原の村落を、植村善博は京都府南部の村落を対象に景観研究を続けてきた。五十嵐勉はパソコンによる地籍図類の画像処理に取り組んでいる。これらの多様な研究をどのように集約するかが最終年度を迎える来年度に残された課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小林健太郎: "蒲生町の地形環境" 『蒲生町史』. 第1巻. (1996)
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[Publications] 小林健太郎: "戦国城下町一乗谷の歴史地理学的特色" 『畑中誠治先生退宮記念論文集』. (1996)
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[Publications] 川村博忠: "近世初頭の日本人の海外知識-寛永十四年書上の世界図を通して-" 山口大学教育学部紀要. 44. 9-26 (1994)
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[Publications] 喜多朝子: "秋吉台の土地利用" 漆原和子編『カルストーその環境とひとびとのかかわり-』. (1996)
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[Publications] 喜多朝子: "絵図と地籍図にみる窪畑の変容-山口県美称郡青景村を事例として-21GC05:神戸山手女子短期大学紀要" 38号. 47-57 (1996)
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[Publications] 水野章二: "中世史研究における現地調査-民衆の生産と生活の場の把握-" 佐藤和彦他編『日本中世史研究事例』. 228-241 (1995)