1996 Fiscal Year Annual Research Report
近畿・中国地方における地籍図類の歴史地理学的活用に関する総合的研究
Project/Area Number |
06301086
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Research Institution | Shiga Univ. |
Principal Investigator |
小林 健太郎 滋賀大学, 教育学部, 教授 (60024923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 義博 仏教大学, 文学部, 助教授 (30257802)
喜多 朝子 神戸山手女子短期大学, 教授
松尾 容孝 鳥取大学, 農学部, 助教授 (20199764)
松田 隆典 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (90199802)
秋山 元秀 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00027559)
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Keywords | 地籍図 / 絵図 / 歴史地理学 / 近畿地方 / 中国地方 / 地租改正 / 微地形 / 土地利用 |
Research Abstract |
近畿・中国地方各地で、明治期に作成された地籍図について所在調査、実態調査を行い、その結果、以下の事実が明らかになるとともに、それらを利用した歴史地理学的研究としても多大の成果があった。詳細については報告書を公刊する予定である。 (1)明治初年の地籍図類は、地方によって様々な名称がつけられているが、基本的には地租改正にともなう行政上の必要から作成されたもので、その典拠となるのは明治6年に布告された太政官布告であるが、実際に地図類の作成は、各地方でさまざまな微修正を加えられ、各府県がだした「地租改正ニツキ人民心得書」に基づいて行われた。今回の調査で、各地でこの「心得書」の実物が発見され、その様式と実際の地籍図の様式との対比が行われ、地籍図作成の具体的なプロセスが明らかになった。 (2)明治初期においては、廃藩置県からはじまる複雑な行政区画制度の変遷があるが、地籍図の作成もこの変遷を反映しており、今日の同一府県内にさまざまな様式の地籍図が存在するのは、このような実態を反映しているものであることが明らかになった。同時にその背景には、明治以前の藩政下における土地行政、とくに絵図類の作成が存在することも明らかになった。 (3)この地籍図類を用いての歴史地理学的研究としては、これまでに行われてきた歴史時代の景観復原に加え、土地生産性や土地利用についても、地籍図が有効な資料であることが明らかになった。また自然地理方面でも、古い時代の地震などによる微地形の変化が、地籍図においても明確に示されていることが、明らかにされた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小林健太郎: "近世城下町のプランと方位" 山田安彦 編著 : 方位と風土記. 155-180 (1994)
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[Publications] 松田隆典,秋山元秀,小林健太郎: "米原町上丹生の木彫工芸と仏壇製造業" 滋賀大学教育学部紀要(自然科学・教育科学). 第45号. 93-105 (1996)
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[Publications] 喜多朝子: "絵図と地籍図にみる窪畑の変容" 神戸山手女子短期大学紀要. 第38号. 47-57 (1995)
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[Publications] 松尾容孝: "鳥取市域の近世・近代土地租税関係資料の所在状況" 鳥取大学教養部歴史と社会研究会編:論叢・歴史と社会. 37-83 (1994)
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[Publications] 田中欣治: "四国各県における地租改正人民心得書-地籍図類作成の布達類" 月報:三重法経セミナー. 194,195,201, (3誌とも). 1-8 (1995)
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[Publications] 木全敬蔵: "条理地割の保存の現状と問題点" 条理制研究. 9. 1-16 (1994)
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[Publications] 小林健太郎: "明治の村絵図(米原町史資料集第1冊)" 米原町, 100 (1996)