1995 Fiscal Year Annual Research Report
博物館におけるマルチメディア情報展示手法の基礎的研究
Project/Area Number |
06301101
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
久保 正敏 国立民族学博物館, 第五研究部, 助教授 (20026355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉藤 重信 椙山女学園大学, 人間関係学部, 助教授 (70206415)
堀江 保範 帝塚山学院大学, 講師(非常勤)
八村 廣三郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (70124229)
栗田 靖之 国立民族学博物館, 第二研究部, 教授 (50111084)
小山 修三 国立民族学博物館, 第四研究部, 教授 (70111086)
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Keywords | 博物館 / マルチメディア / 展示手法 / 展示用機器 / 映像展示 / アニメーション |
Research Abstract |
今年度は、(1)博物館・美術館等における展示手法の現地調査、および、(2)マルチメディア情報をシソ-ラスを用いて相互にリンク付けする手法の開発、を中心に研究を行った。 (1)については、まず、自然史・理工系、歴史・人文系の両者に関する博物館・美術館のうち新設されたものを中心に現地調査と当該機関の担当者との意見交換を行ってマルチメディア活用の実態把握につとめた。新しい傾向として、(a)「収蔵展示」に代表されるような博物館の裏方を公開する方向、(b)「可触型」展示のような体感型・参加型をねらう方向、(c)パソコンを用いた対話型解説や移動体通信技術を用いた端末などパーソナル対応、(d)ハイビジョン等の映像機器を用いた大型展示、(e)インターネットを用いた館外への情報発信をねらう方向、などが確認できた。いずれも、技術的模索の段階であり、利用者にマルチメディア情報を総合的・統合的に提供するという点では、完成された状況ではない。一方、これら先進的施設の他に、資料の情報化は行っているものの、コンピュータ化に着手していない美術館・博物館も数多く存在する。これらの中には、インターネットベース化も含めて、展示の現状と計画についてアンケート調査を行った。現在、結果の集計を終わり、データ項目の共通化などの可能性を探る作業を進めている。そのための通信運搬費を「その他」費目として支出している。 (2)については、民博所蔵の服飾関連資料を題材に、衣服写真、解説記事、新聞記事、雑誌記事索引、論文記事索引などのマルチメディア情報について、既存の服飾用語シソ-ラスと、HRAFのOCMに基づく民族学概念シソ-ラスとの連携を動的に行いながら検索を行うシステムの試作開発を行った。後者のシソ-ラスでは展開できない服飾専門用語については前者のシソ-ラスに展開を任せる、と言う、本研究で編み出した手法の有効性がある程度確認できた。次年度以降も、他の専門用語シソ-ラスを利用しながら、このシステムの精緻化を行う予定である。このシソ-ラスを含めた服飾資料データベースの一部をCD-ROMに焼き付ける試みも行った。 これらの他に計画している課題である、実写映像からの人物像切り出しについては、複雑なシーンについては自動抽出が困難であることから、まず、映像を構造化して、カット、シーン、シークエンスと言うインデックスを付与することが先決であると結論し、そのための基礎的研究を進めた。映像の内容だけでなく、画面での物の配置、色彩配置、テクスチャをも含めたインデックスの設計を行い、1995年民博企画展で展示に用いたラテン音楽の演奏映像を例として、インデックス付与実験を進めているところである。
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Research Products
(1 results)