1995 Fiscal Year Annual Research Report
耐食性ドライコーティング膜のピンホール欠陥率の定量評価
Project/Area Number |
06303006
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉本 克久 東北大学, 工学部, 教授 (80005397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 正孝 九州大学, 工学部, 助教授 (40165725)
内田 仁 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (30047633)
稲葉 達一 徳島大学, 工学部, 助教授 (90035593)
木村 雄二 工学院大学, 工学部, 教授 (90107160)
今井 八郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00052853)
|
Keywords | ドライコーティング / TiN / ピンホール欠陥 / 臨界不働態化電流密度 / アノード分極曲線 |
Research Abstract |
1.研究目的:高耐食性セラミックスのドライコーティング膜を防食被覆として応用するためには、被覆のピンホール欠陥を無くすことが必要である。本研究では、微小欠陥の定量評価法として有効である臨界不働態化電流密度法(CPCD法)をTiN被覆ステンレス鋼に適用する場合の測定条件を最適化および標準化すると共に、無ピンホール欠陥化するための方策について検討することを目的とする。 2.研究成果 (1)Fe-Cr合金基板を用いた場合のCPCD法の測定条件の最適化:Cr含有量10〜30%のFe-Cr合金を基板に用いて、厚さ2.5μmのTiN被覆を形成した。そして、CPCD法の測定条件を検討した結果、18%以上のCrを含む合金に対してはSUS304鋼の標準測定条件(溶液組成:0.5M-H_2SO_4+0.05M-KSCN、測定電位範囲:-0.45V〜0.40V(電位は全てAg/AgCl,3.33M-KCl基準)、電位走査速度:0.3〜0.4mV/s)を適用できるが、10〜15%Cr合金では溶液組成を0.5M-H_2SO_4+0.005M-KSCN、測定電位範囲を-0.45V〜0.60Vにする必要があることが分かった。 (2)基板のCr含有量によるピンホール欠陥率の変化:標準化されたCPCD法の測定条件下で基板のCr含有量によるピンホール欠陥面積率の変化を調べた結果、Cr含有量による著しく大きな変化はないことが分かった。 (3)結論:平成6および7年度の結果を総合して、18%以上のCrを含むステンレス鋼基板に対するCPCD法の標準測定条件を、溶液組成:0.5M-H_2SO_4+0.05M-KSCN、測定電位範囲:-0.45V〜0.40V、電位走査速度:0.3〜0.4mV/sと決定した。また、ピンホール欠陥の少ないTiN被覆を作製するための成膜方法としては活性化反応蒸着法(ARE)が最も優れていること、欠陥面積率は膜厚が2.5〜4.0μmのとき最小になること、などが明らかになった。
|