1994 Fiscal Year Annual Research Report
先端的バイオサイエンスにおけるアイソトープとその廃棄物の安全取扱法の開発
Project/Area Number |
06303011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗原 紀夫 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 教授 (00026428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 進 九州大学, アイソトープ総合センター, 教授 (90037276)
山下 仁平 大阪大学, ラジオアイソトープ総合センター, 教授 (80029941)
森 厚文 金沢大学, アイソトープ総合センター, 教授 (90019604)
巻出 義絋 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40011746)
大西 俊之 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (00000943)
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Keywords | 動物乾留処理 / 廃棄物の大幅減容 / 焼却困難な有機廃液の処理 / 活性炭によるアイソトープ除去 / 放射性ダストの吸着除去 / 廃棄物の微生物分解 / 湿式酸化による廃棄物処理 / バイオ洗浄の効率とコスト |
Research Abstract |
バイオサイエンスの実験研究で繁用されるアイソトープから生じて来る廃棄物のうち、「固体廃棄物と動物性廃棄物の大幅な減容」、「液体廃棄物とくに有機廃液の穏和な方法による分解・無機化」、「有機廃液焼却時のアイソトープの動態解析」、「無機液廃棄物からのアイソトープ除去」等の開発を目指し、全国国立大学アイソトープ総合センター研究者の共同研究を行ってきた。また、バイオサイエンスことに「分子生物学実験でのアイソトープ使用における安全取扱法」のきめ細かな見直しを行い、標準的な操作法等を確立することも試みている。 平成6年度中に得られた主な研究実績は次の通りである。 (1)固体廃棄物のうち、動物性廃棄物を乾留処理することにより、大幅な減容を達成した。含まれているアイソトープ^3H,^<14>C,^<33>P,^<35>S,^<45>Ca,^<51>Cr,および^<125>Iの挙動を解析し、それぞれのアイソトープに応じた高率な回収法を確立した。 (2)焼却困難な有機廃液たとえば真空ポンプオイルなどの安全な処理法として、水による洗浄、化学処理等を、前処理として行い、その後で焼却する可能性を探索しつつある。 (3)ガラスバイアル洗浄の条件を種々試み、水洗、アルカリの効果、メタノールの効果、あるいは洗浄機の利用等も検討し、コストとの関係を解析しつつある。 (4)液体廃棄物、とくに無機水溶液について、活性炭を用いるバッチ法ないしカラム法で、含有放射性同位元素成分の除去を行う実験を行い、一定の成果を上げた。 保管中あるいは処理中の廃棄物から発生し得る放射性ダスト(たとえばI_2やSO_2等)の除去法を吸着、封じ込め等で試み、安全な保管方法を確立しつつある。 (6)液体廃棄物やスラリーに類する廃棄物等を微生物処理による分解、あるいはフェントン酸化等を含む湿式分解で処理することを試み、その有効性を検討した。 (7)研究打ち合わせと情報交換の会議を開催し、自由な討議を行った結果、平成7年度の研究計画を一部練り直した。
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