1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06303015
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Research Institution | SHIGA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
多賀谷 久子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70024932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 勝 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (70169077)
杉原 黎子 岡山大学, 教育学部, 教授 (90019406)
田川 美恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80031699)
藤井 富美子 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (40047056)
片山 倫子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (20056386)
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Keywords | 洗浄 / 生分解 / コリノミコール酸 / 界面活性剤 / エイジング / 泡沫 / 液晶 / 二成分溶剤 |
Research Abstract |
環境負荷低減化を実現するための衣類の洗浄システムの開発を目的として、1.生体系の循環を壊さない洗剤、2.省資源・省エネルギー、3.洗濯廃水の浄化、4.フロン代替溶剤に関して今年度はまとめの研究を行った。 1(1)洗剤の洗浄力を総合的に評価する方法を考案し、天然系界面活性剤が主成分の洗剤と、合成系界面活性剤が主成分の洗剤の洗浄性能を比較した。(2)各種石けんとアルファスルホ脂肪酸エステルナトリウムを主成分とする洗剤と対照のLASを主成分とする洗剤について、河川水を用いたダイ・アウェイ法と生物化学的酸素要求量(BOD)の測定により生分解過程および環境負荷量を求めた。(3)一定のアルキル鎖長を有する5種のコリノミコール酸を合成し、化学構造と界面活性の関係を微生物由来のコリノミコール酸と比較検討した。 2(1)希薄な洗剤水溶液による、皮脂汚れの洗浄機構を調べた結果、臨界ミセル形成濃度(cmc)以下の濃度領域においても、皮脂汚れの除去が行われていることが確認できた。(2)ラテックスを用い、繊維への付着性に及ぼす硫酸ドデシルナトリウム(SDS)の影響を表面特性との関連において検討し、いずれのラテックスも酸性側で大きな付着性をもつことが分った。(3)衣類のまとめ洗いと汚れの変質による洗浄性の変化を検討した結果、油脂とタンパク質は、エイジングに伴って洗浄性が低下し、共存系では、より低下するものもあった。(4)泡沫洗浄はフィルムやメッシュスクリーンなどの単純な形態の基質に効果的であることが分った。 3(1)非イオン界面活性剤の溶液特性(曇点)を利用した洗浄廃水の浄化モデル装置を開発し、油性汚れ・POE系非イオン界面活性剤の分離・除去が可能であることを確認した。(2)洗浄廃水中の微粒子汚れの分散性を評価するための簡便な方法を確立し、洗浄廃水中の界面活性剤除去に適した粒子の粒径や形態について検討した。(3)洗濯廃水中に存在する油成分の除去へのpenetration現象の応用を検討した。 4(1)フロン代替溶剤を検討するため、各種石油系/アルコール系の二成分混合溶剤を用いて、Fe_2O_3・H_2O粒子のポリエステル単繊維に対する洗浄・汚染性に効果的な溶剤の種類および混合組成を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 片山倫子: "各種人工汚染布による洗浄力評価(第2報)" 日本家政学会誌. 46. 1173-1177 (1995)
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[Publications] Tomiko Fujii: "Biodetergent. III. Synthesis and Properties of Corynomycolic Acide as Biometic-surfactant" J. Jpn. Oil Chem. Soc.(YUKAGAKU). 44. 419-424 (1995)
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[Publications] 多賀谷久子: "クロマトグラフ法による洗浄機構の研究II油性汚れの洗浄機構に及ぼす基質の影響" 日本化学会誌. (No.3). 241-245 (1996)
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[Publications] 杉原黎子: "油脂・タンパク質共存汚染布のエイジングに伴う洗浄性の変化" 日本家政学会誌. 47(No.3に掲載予定). (1996)
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[Publications] 大矢勝: "衣類の泡沫洗浄に関する研究(第12報)-ポリエステルモスリンからのトリグリセリド汚れの洗浄性-" 日本繊維製品消費科学会誌. 35. 322-327 (1994)
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[Publications] Mieko TAGAWA: "An experimental trial for the determination of the critical coagulation concentration using the sedimentation method" Colloid and Polymer Science. 273. 1065-1070 (1995)