Research Abstract |
タンパク質結晶学における次の諸問題を研究対象とし,それぞれの研究者が担当した.しかし,各自の分担にとらわれずに研究項目を互いに相補的に研究し,その成果を報告し意見交換する機会を多く持つよう努めた. 1)回折データ収集・構造解析方法論の開発・改良・・・田中,佐藤,樋口 結晶化法の効率化・自動化・迅速化,新しいイメージング・プレート回折計,巨大格子結晶の処理法,低温条件下でのデータ測定法,多波長異常分散法(セレノメチオン法を含む)を用いた位相決定法 2)立体構造-機能相関解析の新局面・・・山根,山口,箱嶋,松島 酵素-基質相互作用と反応機構の解析,タンパク質-タンパク質相互作用の構造論的解析,タンパク質のDNA分子認識機構の解明,ミュータント,アイソザイムを利用した構造-機能解析 3)新しい構造解析のターゲットの指向・・・三木,福山,月原,森本 膜タンパク質複合体の結晶化とX線構造解析,巨大超分子複合体のX線構造解析と分子構築 4)シンクロトロン放射光の利用の新しい展開・・・渡邉,野中,神谷,中川 放射光ビームラインの光学系の設計・開発,回折強度測定の高速化・高精度化,時間分解ラウエ法による動的解析,Spring-8における新しい放射光ビームライン 5)関連する生体高分子解析法との協調・・・豊島,白川,新村 電子顕微鏡,電子回折法による構造解析,核磁気共鳴法による溶液構造決定,生体高分子用の中性子回折計の開発 各分担者の研究成果をもとに,意見・情報の交換の場で総括的な議論を行い,将来のタンパク質結晶学の進路への指針を得るために,平成7年度は平成8年1月26日(金)〜27日(土)にシンポジウムならびに班会議を開催し,約35名の参加者があった.タンパク質結晶学が構造生物科学の進展に大きく寄与し,インパクトの強い成果を得るには何が必要かということに焦点を定めて,極めて活発な議論が展開された.
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