1996 Fiscal Year Annual Research Report
科学教育における新しい学力観の確立と科学教育カリキュラムの開発
Project/Area Number |
06401019
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
木村 捨雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90000059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益子 典文 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10219321)
村川 雅弘 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50167681)
小野瀬 雅人 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40224290)
本多 泰洋 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (50238820)
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Keywords | 新科学知 / 生成知識 / 実験数学 / 応用理科 / カリキュラム開発 / 子どもの有能さ / 創造性 / よさ感得 |
Research Abstract |
1.「新科学知」に向けた生成的知職に基づく新しい学力観の確立:構成主義的アプローチの批判的再構築の立場から,「子供の有能さ」「子どもの自律的運用能力の有能さ」観を更に展開させ,21世紀における「創造立国」「文化学術立国」を指向するで,健全で豊かに生き社会的貢献を果たし文化の創造,科学技術の創造に向かう,将来開花する資質能力としての子どもの能力観の構造的解明を試み,伝統的な文化遺産の伝承に基づく能力観から,「生成的知識」論に立脚した科学技術,文化遺産の生成・創造を基本とする知的創造力からなる能力観の構造規定をおこない,実証的な分析を試み,21世紀にふさわしい学力観を提案をしてきた。 2.「新科学知」の科学教育の構想と科学・技術教育カリキュラム:パラダイム転換をみせる科学技術の動向を踏まえ,新しい発想で21世紀の文化に立脚した科学・技術教育とそのカリキュラム開発の構想をまとめた。 実験数学・応用理科カリキュラムの開発:上記の構想の下に,理科教科では,小学校理科5年「動物の人の誕生」単元での「生物の発生と生命の連続性」に関する認識構造の実証的解明,第2学年生活化単元での創造性伸長の視点にたつ「風と遊ぼう」生活科カリキュラム開発,中学校段階では,対流現象・密度概念単元での科学的な探究課程における理科の「よさ感得」授業,力学分野における「慣性」事象に対する「子どもの有能さ」とその認識構造の変容過程の解明など,児童生徒の日常事象の健全な経験的知識から科学的合理的推論を育成し発展させるカリキュラム開発を試みてきた・算数数学教科では、カブリを用いた実験数学に基づく新しい数学教育の展開,小学校求積指導と中学校「文字式の利用」における「よさ感得」の授業等の実践を通してカリキュラムの有効性と認識特性の変容を分析し,大きな成果を得てきた。
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Research Products
(16 results)
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[Publications] 木村捨雄: "21世紀を展望した教育:将来開花する資質能力の育成〜未来を拓く知的創造力・情報活用能力支援の統計教育〜" 全国統計教育研究協議会『統計教育研究』. Vol.29,No.2. 5-22 (1996)
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[Publications] 前島孝司・木村捨雄: "科学的な探究の過程における「理科のよさ」感得に関する研究-対流現象・密度概念-" 日本科学教育学会『科教研報』. Vol.10,No.3. 69-74 (1996)
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[Publications] 樋口俊久・木村捨雄: "創造性伸長の視点にたつ生活科の授業設計と評価に関する研究-第2学年生活化単元「風と遊ぼう」の開発・実践を通して-" 日本科学教育学会『科教研報』. Vol.10,No.3. 63-68 (1996)
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[Publications] 大森隆司・木村捨雄: "児童の「生物の発生と成長」に関する認識構造とその特性に関する研究-小学校理科5年「動物と人のたんじょう」-" 日本科学教育学会『科教研報』. Vol.10,No.3. 57-62 (1996)
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[Publications] 木村捨雄: "「新科学知」とカリキュラム開発の基本構想-創造性を基盤にする「新科学知」と科学技術モジユ-ル・カリキュラムの開発" 科学教育研究(日本科学教育学会). Vol.20,No.1. 3-22 (1996)
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[Publications] 武村重和: "新科学知」科学技術教育系カリキュラム開発の構想-小学校・中学校・高等学校「科学技術」カリキュラム開発-" 科学教育研究(日本科学教育学会). Vol.20,No.1. 23-31 (1996)
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[Publications] 木村捨雄: "21世紀を展望する創造性「新科学知」とカリキュラム開発の構想" 日本科学教育学会第20回年会論文集. No.20. S83-S84 (1996)
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[Publications] 榎本明彦・木村捨雄: "算数教育における小学生の「見積り能力」の特性に関する実証的研究" 日本科学教育学会第20回年会論文集. No.20. 325-326 (1996)
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[Publications] 久保田徳夫・木村捨雄: "幾何学ソフトからのアプローチによる数学的問題解決能力の伸長に関する研究" 日本科学教育学会第20回年会論文集. No.20. 327-328 (1996)
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[Publications] 石内久次・木村捨雄: "高等学校におけるマルチメディア型の教育用化学ソフトウェア開発" 日本科学教育学会第20回年会論文集. No.20. 353-354 (1996)
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[Publications] 鈴木成・木村捨雄: "モノシリック加速度センサを用いた加速度計の開発研" 日本科学教育学会第20回年会論文集. No.20. 359-360 (1996)
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[Publications] 木村捨雄: "社会・産業構造,学問体系の変容と新しい科学技術教育の構築・研究の確立に向けて" 日本選書3日本学術会議,財団法人日本学術協力財団,大蔵省印刷局『21世紀を展望する新教育課程編成への提案』, 7-31 (1966)
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[Publications] 木村捨雄: "大学院における現職教員教育の現状と今後の課題" 日学選書3日本学術会議,財団法人日本学術協力財団,大蔵省印刷局『21世紀をめざす教師教育』, 77-89 (1966)
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[Publications] 木村捨雄: "創造性『新科学知』とカリキュラム開発-創造性を基盤にする「新科学知」と化学技術モジユ-ル・カリキュラムの開発-" 筑波出版会, 1-186 (1966)
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[Publications] 木村捨雄: "コンピュータを使った学習と教科書による学習とのネットワーク化をはかるにはどうすればよいか" 教育開発研究所「学習のネットワーク化」, 148-151 (1966)
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[Publications] 木村捨雄: "将来開花する創造性・独創性は感じる・探る・創ることを重視することから" 教育開発研究所「情報化時代に求められる資質・能力と指導」, 18-21 (1966)