1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06402047
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 鷹志 新潟大学, 自然科学研究科, 教授 (20024234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 徹 新潟大学, 工学部, 助手 (10270935)
鈴木 毅 大阪大学, 工学部, 助教授 (70206499)
菊地 成朋 九州大学, 工学部, 助教授 (60195203)
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Keywords | 環境行動研究 / 地域 / 住環境 / 人間-環境系 |
Research Abstract |
最終年度としてこれまでの研究成果を基に議論検討して,以下の構成でまとめる作業を行った。 1.研究の位置づけ:過去におこなった「特定地域の包括的研究」からの経緯と,人間と地域空間の要素(資源)の関係についての概念・モデルが不足しているという問題意識を整理した。 2.既往研究のレビュー:1の問題意識のもとに,都市計画や地域施設計画,暮らし易さ指標など,地域空間を対象とした人間と環境の関係のモデルを整理しその問題点をまとめた。 3.地域における環境行動的事例の調査研究:1)都市の市街地と計画された集合住宅地を対象とした生活行動のサーベイより「社会的環境との出会いを支援する地域環境」の意味,2)同じく都市の市街地と集合住宅地を対象として施設・場所の意味に焦点を合わせた「地域における場所相互の関係」についての考察,3)新潟市を対象とした,環境行動マップ,行動記録マップ,アンケート調査に基づいて「地域環境の質の持続的支援における個人の役割」をカスタマイズ,メンテナンスなどの生活者個人の環境への働きかけの意味に焦点を当てて分析した。 4.環境行動記述に基づく地域表現方法への試み:東京とマンチェスターを対象とし様々なタイプの生活者の地域との関わり方を,視覚的に表現することにより地域空間の特質を浮かび上がらせる手法(プロフィール・生活実態・それを支える資源で表現)のケーススタディを行った。 5.結論:地域空間における人間-環境の対応関係として,従来の割り当て的な計画モデルにおける単なる利用や接触を越えた,地域の資源による生活の「支援(サポート)」概念の重要性について考察し,今後の地域環境における施設や公共空間の計画論のあり方を論じた。
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