1995 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌におけるCancer susceptibilityに関する研究
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06404048
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田川 泰 長崎大学, 医学部, 講師 (20206907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 忠之 長崎大学, 医学部, 助手 (30213911)
綾部 公懿 長崎大学, 医学部, 教授 (60128147)
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Keywords | 肺癌 / Cancer Family Syndrome |
Research Abstract |
同一家系の11人中6人の肺癌発生家系の治療経験から、平成6年度の研究において本家系の4人の肺癌発症者の腫瘍組織および正常組織あるいは末梢血リンパ球のp53遺伝子・Ki-ras遺伝子・p16/MTS-1遺伝子の異常を検討したが、これら既知の遺伝子には異常が認められなかった。そこでこれらの肺癌の組織型の集積性に着目し、肺癌において未知の癌抑制遺伝子の存在が想定されている3番染色体短腕の異常を多数のマイクロサテライトマーカーを用いて詳細に検討した。全症例に共通なloss of heterozygosity (LOH)領域は検出されなかったが、2例では3p21.2-3p23のLOHが検出された。また、1例以外では3番染色体短腕上でreplication error phenotype (RER)が認められた。これは一般の非小細胞肺癌でのRERの頻度として報告されている10-20%に比して明らかに高頻度であり、これらの家族性肺癌の発癌に細胞のミスマッチ修復系の異常が関与している可能性が示唆される。今後はDNAミスマッチ修復遺伝子の存在が同定されている2番染色体短腕、非小細胞肺癌において未知の癌抑制遺伝子の存在が想定されている9番染色体短腕、17番染色体短腕についても複数のマイクロサテライトマーカーを用いて解析を進めていく。また、濃厚な家族歴を有する肺癌家系は極めて稀であり、検体を入手することが困難であることより、解析対象を肺癌の若年発症例で家族歴を有する症例にも広げて研究を進めていく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 富田 正雄 他: "家族集積肺癌-肺癌におけるLi-Froumeni症候群-" 日本臨床. 53. 2716-1721 (1995)
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[Publications] Tagawa Yutaka et.al.: "Numerical Abcrrations of Chromosome 11 and 17 in Colorectal Adenocarcinomas." Surgery Today. (in press).
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[Publications] Ayabe Hiroyoshi et.al.: "Regional lung function following upper sleeve lobectomy for bronchogenic carcinoma." Tohoku Journal of Experimental Medicine. 176. 45-52 (1995)
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[Publications] Juon-Eiki Nishizawa Takano et.al.: "Gallbladder Cancer : A comparative study among clinicopathologic features,Ag NORs and DNA content analysis." Digestive Diseases and Sciences. (in press).
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[Publications] Tomita Masao et.al.: "Significance of flow cytometric DNA analysis from freshly aspirated samples." Breast Cancer. 2. 113-117 (1995)
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[Publications] 辻 孝 他: "AgNOR_3による抗癌剤の腫瘍細胞増殖活性抑制効価の評価の試み-培養HeLa細胞を用いて-" Cytometry Research. 5. 25-29 (1995)