1994 Fiscal Year Annual Research Report
生活者主体の健康確保とその支援環境に関する研究-現状分析と環境構築にむけて
Project/Area Number |
06405002
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川田 智恵子 東京大学, 医学部(医), 教授 (60010013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 温 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究部, 研究員 (00211821)
杉田 聡 東京大学, 医学部(医), 助手 (00222050)
吉田 亨 東京大学, 医学部(医), 助手 (80174936)
山崎 喜比古 東京大学, 医学部(医), 助教授 (10174666)
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Keywords | 主体性 / 自立生活 / 自立生活サポートモデル / エムパワーメント / 資源分配 / 交通手段 / 高齢者 / 介護職員の質 |
Research Abstract |
今年度はまず、社会福祉及び健康教育の視点から主体性に関する文献レビューが行われた。社会福祉の視点からは、自立生活と主体形成というテーマで、医学モデルに対する自立生活モデル及び自立生活サポートモデルが検討された。健康教育の視点からは、健康教育における学習者主体論が検討され、エムパワーメントを中心にまとめた。調査研究では、支援環境の構築において、その政策・制度決定で問題となる資源配分の公正感について一般住民255名、医療従事者189名から回答を得た。希少な保健医療サービスの配分については、一般住民は抽選方式をより多く選好し、医療従事者、特に医師は自由経済方式を選好した。また配分基準については、一般住民は、年齢、家庭内責任、保健行動を、医療従事者は年齢のみを配慮の対象とした。また配分割合については、両者を結果として平等となる配分を選好した。 高齢者関連の調査研究が3種類で第一は、高齢者の健康確保及び余暇活動の支援環境の一環として交通手段を取り上げ、交通の不便な地域に住む60才以上の189名の回答を分析した。日常活動には性差があり、趣味とグループ活動は男性が多く、買物、食事、訪問は女性が多かった。50%以上の回答者が月に1回以上通院や健診のために外出していた。交通手段は60才代の男性は車が圧倒的に多かったが、特に女性は年代を問わずバスと同乗が多かった。交通手段については種々の問題があった。次は、支援環境の形成に関連した調査で、介護力強化病院の介護職員の実態を調査した。該当病院339の結果は次のごとくであった。有資格者を見ると、33%の施設で介護福祉士を、また42%の施設で保母資格者を採用していた。付添婦の院内化は16%の施設で見られた。第3の要介護在宅高齢者の介護のための社会的支援の利用についての調査は現在集計中である。
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