1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06451004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 真完 東北大学, 文学部, 教授 (60042115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 守一 仙台電波工業高等専門学校, 教授 (90200667)
鈴木 岩弓 東北大学, 文学部, 助教授 (50154521)
華園 聰麿 東北大学, 文学部, 教授 (20004872)
杉山 晃一 東北大学, 文学部, 教授 (70004041)
磯田 煕文 東北大学, 文学部, 教授 (30004039)
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Keywords | ヴァイシェーシカ派 / 仏教論理学派 / ヴェーダーンタ派 / 入中論 / 庶民仏教 / シャンカラ / 地蔵信仰 / ジャイナ教聖典 |
Research Abstract |
各研究分担者によって次のような進展があった。 1.ヴァイシェーシカ派と仏教論理学派との論争の解明,ヴェーダーンタ派と唯識思想との交渉の解明,諸学派における霊魂観の解明を行なった。 2.『入中論』第六章に引かれるインド哲学諸学派等の教説の要約内容を,無我論を中心に,各派の文献等と比較検討した。また,仏教とインド哲学諸学派の夢・時間等の議論を考察した。 3.日本・韓国・タイ・インドの稲作儀礼と神観念の比較研究を行なった。 4.「庶民仏教」について「民間信仰」あるいは「庶民信仰」の概念を参照しつつ新しい定義づけを試み,その成果の一部を発表した。庶民仏教の実体調査研究(地蔵信仰や観音信仰の霊場や札所の調査と研究)や歴史的考察(特に平安時代の宗教史に関して)も継続している。 5.現代における地蔵信仰の研究,ヒンドゥー諸神について宮城県の調査とデータベース作成を行なった。 6.Ayaranga,Suyagada,Uttarajjhaya,Dasaveyaliya,Isibhasiyaim,Dhammapadaの索引をコンピューター解析によって作成した(本研究の成果に基づきジャイナ教と仏教との交渉の実態を解明していく予定)。 7.シャンカラの「アートマン」観研究を行い,絶対者(最高我)と個我の関係を考察した。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 村上真完: "PrakasanandaからDharmarajadhvarindraへ(主観的観念論の系譜)" 印度学仏教学研究. 44. 432-426 (1995)
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[Publications] 村上真完: "インド実在論の観念性-ヴァイシェーシカ哲学の基本的思考法-" 勝呂信静博士古稀記念論文集. (1996)
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[Publications] 村上真完: "初期の仏教における分析的思考と人間存在-無我説と輪廻する私(aham)-" 仏教論叢. 40. (1996)
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[Publications] 村上真完: "初期の仏教における不殺生と和平の思考" 日本仏教学会年報. 61. (1996)
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[Publications] 村上真完: "精神性(caitanya)をめぐる諸理論" 東北大学文学部研究年報. 45. 1-38 (1996)
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[Publications] 村上真完: "精神性(caitanya)考" 宗教研究. 69. (1996)
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[Publications] 磯田煕文: "『十万般若広注』と『三母広注』" 勝呂信静博士古稀記念論文集. (1996)
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[Publications] 磯田煕文: "「六十二見」説について" 今西教授還暦記念論文集. (1997)
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[Publications] 華園聰麿: "『民間信仰』概念の再考" 東北大学文学部研究年報. 45. (1996)
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[Publications] 鈴木岩弓: "庶民信仰の形成-『首無地蔵』にみる地蔵出現の意味-" 楠正弘編『宗教現象の地平-人間・思想・文化-』. 395-431 (1995)
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[Publications] 鈴木岩弓: "『首無地蔵』信仰の展開構造" 宗教研究. 69. 609-634 (1995)
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[Publications] 山崎守一: "ジャイナ教聖典における韻律の自動解析-Vttarajjhayana-sutta第13章を中心として-" 勝呂信静教授古稀記念論文集. (1996)
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[Publications] Y.Ousaka,M.Yamazaki: "Automatic Analysis of the Canon in Middle Indo-Aryan by Personal Computer II" Literary and Linguistic Computing. 11. 1-9 (1996)