1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06451010
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高辻 知義 東京大学, 教養学部, 教授 (80012467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 康成 東京大学, 教養学部, 教授 (10116056)
岩佐 鉄男 東京大学, 教養学部, 教授 (50203360)
小林 康夫 東京大学, 教養学部, 教授 (60153623)
杉橋 陽一 東京大学, 教養学部, 教授 (50015278)
蓮實 重彦 東京大学, 教養学部, 教授 (30012454)
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Keywords | コラボレーション / 舞台芸術 / パフォーマンス / マルチメディア / 表象 / メディアミックス / テクノロジー / 身体表現 |
Research Abstract |
本年度は、最新のコンピューターならびにビデオ機材を用い、演劇やパ-フォーマンス、インスタレーションなどにおけるコラボレーションのさまざまな様態を記録・解析して、コラボレーションを分節するための理論的枠組みの構築に努めた。理論面での作業を押し進める一方、そこから得られた新たな知見を用いて、逆に、実践面で実現可能なコラボレーションをシミュレートし、それを実際のパ-フォーマンスの現場に反映させることも試みた。その成果として、平成6年6月に東京大学教養学部視聴覚ホールで開催された「三宅一生:クリエーションのダイナミックス--テクノロジーとしてのあいだで」というパ-フォーマンスと、同じく平成6年8月に東京デザインセンターで開催された「オト・コト・コトバ--音と言葉をめぐるマルチ・メディアパフォーマンス」と題する催しがあげられる。両者とも、研究分担者の多数が企画・実行したものであり、本研究の成果をそこに盛り込むとともに、今後の問題点などもそこから逆に取り出すことが出来た。 コラボレーションの理論の構築とその理論の現場への反映、という本研究の骨子に照らしてみれば、当初の計画は、概ね順調に達成されているといってよい。特に、上述したコラボレーションの実践は、表象文化論に基礎をおく本研究のスタッフならではの、他には類を見ない成果であると考えられる。ただし、マルチメディアの扱いに関しては、まだまだ個々のメディアの並列的接続という域を出ず、メディアミックスによるきわめて独自で創造的なコラボレーションのあり方を、十全に呈示できたとは言いがたい。「混ぜ合わせる」ことによって、個々のメディアを足しただけでは得られない新たな可能性を探求することがコラボレーションの真髄であり、理論面での深化と同時に実践面での作業を通じて、これを追求することが次年度以降の課題として残されている。
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Research Products
(27 results)
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[Publications] 高辻知義: "バイロイトの精神的風土" 音楽芸術. 10月号. 18-21 (1994)
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[Publications] 杉橋陽一: "アポカタスタシスと「偉大なラビ」(1)" みすず. 4月号. 2-15 (1994)
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[Publications] 杉橋陽一: "アポカタスタシスと「偉大なラビ」(2)" みすず. 5月号. 25-35 (1994)
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[Publications] 杉橋陽一: "アポカタスタシスと「偉大なラビ」(3)" みすず. 7月号. 38-49 (1994)
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[Publications] 杉橋陽一: "アポカタスタシスと「偉大なラビ」(4)" みすず. 8月号. 80-92 (1994)
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[Publications] 杉橋陽一: "ダールハウス、ブロッホ、ハルム" 思索する耳(同学社). 246-266 (1994)
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[Publications] 石光泰夫: "泉鏡花-身体のイメージ・身体の影" IS. 67号. 2月刊行予定 (1995)
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[Publications] 石光泰夫: "ピナ・バウシュの強度(県談)" ユリイカ. 3月号. 刊行予定 (1995)
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[Publications] 石光泰夫: "N.ボルツ「ベンヤミンの美学」(翻訳)" 批評空間. II-2. 48-65 (1994)
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[Publications] 小林康夫: "「光の演出-建築のポエスティック」" 建築文化. 579. 141-146 (1995)
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[Publications] ドウ・ヴォス パトリック: "Theatre en mouvement" L'album du festival d'Avignon. 30-37 (1994)
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[Publications] ドウ・ヴォス パトリック: "ジパングと国境なき舞台" シアター・アーツ. 創刊号. 111-114 (1994)
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[Publications] 杉橋陽一: "ヤーコプ・タウペスについて" 批評空間. II-2. 132-135 (1994)
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[Publications] 石光泰夫: "ベンヤミンの「身体空間」" 批評空間. II-2. 66-78 (1994)
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[Publications] 石光泰夫: "「始源のざわめき」-転移・痕跡・エクリチュール" 現代思想. 5月号. 274-283 (1994)
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[Publications] 石光泰夫: "フロイト対シュレーバーあるいは真理と狂気の弁証法" イマーゴ. 7月号. 236-247 (1994)
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[Publications] 石光泰夫: "ディスクール分析の功罪-身体論の回復をめざして" ドイツ文学. 93号. 1-11 (1994)
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[Publications] 石光泰夫: "エイズとペスト、あるいはドラキュラと精神分析家の曖昧な差異について" イマーゴ. 1月号. 138-151 (1995)
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[Publications] 刈間文俊: "覇王別姫の周辺" 文学. 第6巻第1号. 173-176 (1995)
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[Publications] 高辻知義(共著): "ドイツ文学史(改訂増補版)" 東京大学出版会, 377 (1995)
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[Publications] 高辻知義(共著): "ワーグナー『ジークフリート』" 白水社, 174 (1994)
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[Publications] 小林康夫: "光のオペラ" 筑摩書房, 282 (1994)
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[Publications] 小林康夫(共著): "複数の署名-00-Collaboration 詩と美術" 思潮社, 157 (1994)
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[Publications] 蓮實重彦: "魂の唯物論的な擁護のために(対談集)" 日本文芸社, 415 (1994)
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[Publications] 蓮實重彦: "オペラ・オペラシオネル" 河出書房新社, 140 (1994)
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[Publications] 杉浦寿輝: "平面論 1890年代西欧" 岩波書店, 223 (1994)
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[Publications] 高田康成(翻訳): "ピエール・グリマル著『キケロ』" 白水車, 187 (1994)