1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06451010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高辻 知義 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80012467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石光 泰夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60093366)
岩佐 鉄男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50203360)
小林 康夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60153623)
杉橋 陽一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50015278)
蓮實 重彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30012454)
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Keywords | コラボレーション / 舞台芸術 / パフォーマンス / マルチメディア / 表象 / メディアミックス / テクノロジーア / 身体表現 |
Research Abstract |
本研究は、現代の舞台芸術において、従来の演劇、オペラ、ダンスなど、これまで個々に考えられてきた分野の境界を打破するような形で広範に試みられているコラボレーション(共作)の実態を多面的に把握し、総合的な芸術表象としての舞台芸術がもちうるアクチュアリティの諸相と射程を解明することを目的としていた。またそこで獲得されるコラボレーションの理論を実際のパウォーマンスやマルチ・メディア空間において実現させることによって、新しい舞台芸術の可能性のモデルを呈示し、それによって舞台芸術の実践の場に参加することもその課題としていた。 こうした目的・課題は、「三宅一生:クリエーションのダイナミックス-テクノロジーとのあいだで」、「オト・コト・コトバ-音と言葉をめぐるマルチ・メディアパフォーマンス」(いずれも平成6年度)、「耳のための映像」(平成7年度)といった、電子メディアを駆使したコラボレーションの実践であるパフォーマンス、またシンポジウム「セクシュアリティの表象」(平成7年度)などでの包括的な理論の考察、あるいは研究成果を授業に活かしたインスタレーション「幽霊に出会う」やマルチ・メディア映像の制作(いずれも平成8年度)などによって、きわめてアクチュアルな形で達成できた。コラボレーションをめぐって、それらの成果に盛り込まれている知見はじっさいどれもきわめてユニークなものであり、それらが今後のコラボレーション研究に与えるインパクトは多大なものであると考えられる。またこの共同研究を実施するための学問的基盤であった表象文化論にさらに新たな局面をきりひらいた功績も看過できない。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 杉橋陽一: "ブルーメンベルクの絶対的メタファー(その1)" 超域文化科学紀要. 1巻1号. 127-134 (1996)
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[Publications] 杉橋陽一: "モーゼとアロン-シェーンベクルにおけるセクシュアリティ" イマーゴ. 7巻6号. 49-59 (1996)
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[Publications] 杉橋陽一: "ダールハウスのベートヴェン理解のために" ダールハウス『ベートヴェンとその時代』西村書店. 343-359 (1997)
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[Publications] 石光泰夫: "舞踊に見るヒステリー的身体の考古学-序説" イマーゴ. 7巻6号. 90-99 (1996)
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[Publications] 高辻知義: "ドイツの社会の中における音楽" ドイツ・ハンドブック(早稲田大学出版). 4月予定. (1997)
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[Publications] 松岡心平: "幽玄が円寂するとき-一休禅竹の世界-" 文学. 7巻2号. 32-40 (1996)
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[Publications] 松浦寿輝: "閲覧室と無限" 10+1. 5号. 2-15 (1996)
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[Publications] 松浦寿輝: "円環の廃墟" 10+1. 6号. 2-15 (1996)
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[Publications] 松浦寿輝: "八×八の迷宮" 10+1. 7号. 2-15 (1996)
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[Publications] 小林康夫: "なつかしさと憧れとーダンスを見るとはどういうことか?" WALK. 22. 20-22 (1996)
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[Publications] 小林康夫: "文化創造の現場2 始原の身体から(対談)" 本. 21巻10号. 14-21 (1996)
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[Publications] 小林康夫: "文化創造の現場3 反逆する手(対談)" 本. 21巻11号. 24-32 (1996)
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[Publications] 小林康夫: "文化創造の現場4 時の流れに建築を置く(対談)" 本. 21巻12号. 46-53 (1996)
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[Publications] 小林康夫: "文化創造の現場5 言葉のない思考の空間へ(対談)" 本. 22巻1号. 14-21 (1997)
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[Publications] 小林康夫: "文化創造の現場6 原始と未来を貫くデザインの“永久革命"(対談)" 本. 22巻2号. 30-37 (1997)
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[Publications] 高辻知義他(編訳): "ワーグナー舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』第3日 神々の黄昏" 白水社, 150 (1996)
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[Publications] 杉橋陽一: "夢と露の子ども-飯田龍太論" 白凰社, 289 (1996)
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[Publications] 小林康夫: "『Art Around Project 舟の丘、水の舞台』のうちコラボレーションと身体(萩原朔美との対談)" 愛知県文化情報センター, 22(1〜4) (1996)
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[Publications] 小林康夫: "『デ・ジェンダリズム-回帰する身体』のうち 序 創造的な差異へ-痛みを通して差を超える)" 世田谷美術館 淡交社, 136(8〜9) (1996)
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[Publications] 小林康夫: "磯崎新監修田中純編『磯崎新の革命遊戯』のうち建築のポイエ-シス" TOTO出版, 326(75-83) (1996)