1994 Fiscal Year Annual Research Report
児童・生徒・学生及び日本語学習者の作文能力の発達過程に関する研究
Project/Area Number |
06451155
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
長友 和彦 お茶の水女子大学, 人文科学研究科, 助教授 (60164448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 信子 お茶の水女子大学, 付属小学校, 教諭
松木 正子 お茶の水女子大学, 付属小学校, 教諭
宗我部 義則 お茶の水女子大学, 付属中学校, 教諭
田中 美也子 お茶の水女子大学, 付属中学校, 教諭
甲斐 睦朗 国立国語研究所日本語教育センター, センター長 (10024085)
|
Keywords | 作文能力 / 国語教育 / 日本語教育 / 異なり語 / 品詞別使用数 / 接続詞「でも」 |
Research Abstract |
小一から大学生までの同題作文のデータベースを作成し、それを基に基礎的な分析を進めた結果、次のような知見が得られ、論文としてまとめた。 1.小二、小六、高一で、文の長さに大きな変化が見られる。 2.各学年毎の平均文長のちらばり具合からみると、中一から長短に広がっていく傾向がみられ、特に大学生においてその傾向が著しくなる。 3.学年が上がるにつれて、異なり語の使用が確実に増え、大学生までに小一の二倍以上になる。留学生の使用異なり語数は中三のデータに近い値を示す。 4.異なり語数を品詞別にみると、感動詞を除いて、学年が上がるにつれて増加する。感動詞は小一で最も多く用いられる。 5.品詞別に使用総数をみると、名詞と動詞の分布が類似しており、名詞と動詞は相関して増減する。 6.品詞別総数の内、接続詞は小三で突出しているように見えるが、語の種類と数を調べると、「でも」を多様しているためであることが分かる。話し言葉の名残とみられる「でも」は、小学生では多く使われるが、学年が進むにつれて減っていき、かわりに同じ逆説の働きをする「しかし」が小四から出現する。
|