1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 和夫 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40011720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野海 正俊 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (80164672)
北田 均 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (40114459)
中島 匠一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (90172311)
木村 弘信 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (40161575)
堀川 穎二 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40011754)
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Keywords | 完全積分可能系 / 変形理論 / モノドロミ- / 多変数特殊函数 / 超幾何函数 / 梯子構造 / 線型偏微分方程式系 / ホロノミック |
Research Abstract |
本研究課題は,微分方程式とくに複素領域において定義された完全積分可能系の変換群を調べ,その代数的な構造をあきらかにすることが目標である。特に,代数的研究を深め,完全積分可能系の解の大域的解析に役立てることは重要な目標の一つである。研究計画実施の初年度である平成6年度は,特に手法を制限せず,各研究分単者が各自の立場から研究を行うこととした。また,研究対象も変換群の理論と応用に関するものであるならば自由に設定するものとした。旧来の手法やテーマに固執することなく,専門にこだわらず学外諸機関の研究者と学問的交流を深めることにより、本研究課題についていくつかの成果が得られた。具体的な成果の主なものは次のとおりである。研究代表者は,研究計画全体の総括を行いつつ,その中で線形微分方程式の変形理論、とくにモノドロミ-を不変とする変形について研究を進めた。リーマン球面上の微分方程式のホロノミックな変形については、既に多くのことが調べられている。今年はトーラス上の微分方程式の変形に対し特異点の位置を変形のパラメータとする場合について計算が完成した。この結果については今年中にも公表される予定である。また,大学院数理科学研究科内の別のグループの研究者により,この分野の研究が幾何学に応用され重要な結果が得られたが、これも本研究課題の成果であるといえる。完全積分可能系は広範な数学の分野と関連しており,研究協力者によりそれぞれの立場から研究が進められ成果が得られた。その主なものを報告する。線形偏微分方程式の特殊解の組織的な構成,とくに多変数特殊関数の特徴付けについて,堀川穎二により,ゲルファント超幾何関数が詳しく調べられ,また,コンフィギュレイション空間上の超幾何関数とその合流のスキームについて木村弘信等は新しい知見を得た。代数的な研究では中島匠一により,整数論的な立場からいくつかの重要な成果が得られた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kazuo OKAMOTO: "On the holonomic deformation of linear ordinary dufferential eguations on an olliptic curve" KMJ(九州大学数理・紀要). to appear. (1995)
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[Publications] Eiji HORIKAWA: "Transformations and contiguity relations for Gelfand's hypergesmetric functions" J.Math.Sci.Univ.Toicyo. 1. 181-203 (1994)
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[Publications] Hironobu KIMURA: "On contiguity relations of the confluent hypergeometric functions" Proc.Japan.Academy. 70A. 47-49 (1994)
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[Publications] S.NAKAJIMA: "On Gauss sum characters of finite groups and generalized Bernoulli numbers" J.Theorie des nombres de Bordaux. (1994)
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[Publications] H.KITADA: "Theory of local times" Il Nuovo cimento. 109B. 281-302 (1994)