1995 Fiscal Year Annual Research Report
中間赤外分光観測による明るい赤外銀河の放射機構の研究
Project/Area Number |
06452019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松原 英雄 名古屋大学, 理学部, 助手 (30219464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修二 名古屋大学, 理学部, 教授 (50025483)
佐藤 紳司 名古屋大学, 理学部, 助手 (60192598)
松本 敏雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022696)
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Keywords | 中間赤外分光 / 赤外銀河 / ファブリ・ペロ-分光器 |
Research Abstract |
本研究の第一目的は、星間塵による吸収の影響を殆ど受けない波長10μm付近の大気透過波長帯に位置するスペクトル線観測のための分光撮像装置MIRFIを開発することであった。平成6年度中に、分光分解能2500、視野8″×8″(1.3″/pixel)の[NeII]12.8μm線分光器として開発が終了した。 第二の目的は、MIRFIを国内外の望遠鏡にとりつけ明るい赤外銀河からの[NeII]線観測を行い、可視光では塵に隠されているために見えない中心領域の構造を明らかにすることである。文部省宇宙科学研究所の1.3m望遠鏡における試験観測を経て、最も著名な赤外銀河の一つM82の観測を主目的に、平成7年4月、米国マウナケア天文台のNASA/IRTF望遠鏡において初観測を試みた。残念ながら天候に恵まれず、わずか3時間の観測時間しかなく、性能確認のために観測した明るい赤外線源のデータしか得ることができなかった。しかしそのデータから、MIRFIが比較的近い赤外銀河からの[NeII]線観測には十分な性能を有することが確認できた(5分の観測時間で、M82からの[NeII]線強度がS/N〜100)。MIRFIの仕様・性能についてまとめた論文を現在投稿中である。 平成7年度はMIRFIの性能をさらに向上するため、二つの改良を行った。一つはMIRFIと同じ視野で銀河をS/N比の良い近赤外連続光でモニターするための、Kバンドチャンネルの導入、もう一つは、遠方の赤方偏移の大きい銀河からの[NeII]線の観測を可能にする、低次と高次のファブリペロ-が同時に同じ波長を走査するタンデ-ムファブリペロ-分光器の開発である。また本研究ではMIRFIの観測のフォローアップの意味でX線天文衛星「あすか」による観測も計画・実行した。今後、平成8年3月に米国ワイオミング大学赤外線望遠鏡による観測を計画している。この観測の成果の公表が行われ次第、本研究を取りまとめることとする。
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