1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452082
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 純正 東北大学, 理学部, 教授 (30004493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 大 東北大学, 理学部, 助手 (50250668)
山崎 剛 東北大学, 理学部, 助教授 (80220317)
安田 延壽 東北大学, 理学部, 教授 (30004419)
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Keywords | 陸面過程 / 熱収支 / 水収支 / 裸地面蒸発 / 積雪面熱収支 / 融雪 / 森林蒸発散 / 流域貯留水量 |
Research Abstract |
各種地表面の熱収支・水収支のパラメータ化を行ない観測によって検証した。 1.土壌間隙内部における水の気化を考慮した蒸発の多層モデルを開発した。このモデルにより、観測により得られた乾燥期間中の蒸発量、地温、含水率分布の時間変化をよく再現することができた。 2.裸地面蒸発の季節変化を計算するモデルを考案した。このモデルでは、降水の浸透過程も含まれている。計算に必要な入力データは通常のルーチン気象データである。この計算モデルを用いて、1年間以上の長期にわたる熱収支、地表面温度、土壌含水率の季節変化が求められ、観測結果とよく対応した。 3.上記のモデルを用いて、年間の裸地面蒸発量と降水量の関係が土壌の種類によって明瞭な差が生じることを示した。しかし降水量が非常に少ない乾燥気候では、年間蒸発量と降水量の関係は土壌の種類によらないことが分かった。 4.積雪面温度を簡単な積雪熱収支モデルと、積雪内部の物理過程を考慮した精密なモデルで計算し比較した結果、簡単な熱収支モデルで全積雪期間の熱収支を10Wm^<-2>程度の精度で計算できることが分かった。 5.積雪のある森林小領域における熱収支を評価した。融雪モデルと流出モデルを組み合わせ、融雪過程と流出過程を再現した。さらに熱収支の様子が、植被の有無によって変化することを示した。 6.新たに開発した指数関数型タンクモデルを用いて日本各地の流域貯留水量の計算をし、短期水収支法によって蒸発散量の計算をした。また短期水収支法と熱収支法の蒸発散量の計算結果を比較したところ、日本では流域貯留水量の減少が原因で蒸発効率が下がるといことはないことが分かった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kondo,J.: "Modelling the evaporation from bare soil with formulatlon of vaporization and water vapor diffusion in the soil pores." J.Meteor.Soc.Jpn.72. 413-421 (1994)
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[Publications] Kuwagata,T.: "Thermal effect of the sea breeze on the stwcture of the boundary layer and the heat budget over land." Bcundary-Layer Meteorol.67. 119-144 (1994)
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[Publications] 近藤純正: "裸地面蒸発の季節変化(1)モデル" 水文・水資源学会誌. 7. 378-385 (1994)
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[Publications] 近藤純正: "裸地面蒸発量の土壌種類と年降水量への依存性" 天気. 41. 525-535 (1994)
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[Publications] 近藤純正: "森林流域貯留水量の蒸発散抑制の考察" 水文・水資源学会誌. 7. 402-410 (1994)
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[Publications] 山崎剛: "積雪のある森林小流域における熱収支の評価" 天気. 41. 71-77 (1994)
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[Publications] 近藤純正: "朝倉書店" 水環境の気象学-地表面の水収支・熱収支-, 348 (1994)
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[Publications] 安田延壽: "朝倉書店" 基礎大気科学, 204 (1994)