1995 Fiscal Year Annual Research Report
多重積層電子デバイス内のミクロ熱移動の解明と沸騰伝熱との連成による除熱促進
Project/Area Number |
06452185
|
Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
土方 邦夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016582)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祐二 東京工業大学, 工学部, 助手 (20242274)
中別府 修 東京工業大学, 工学部, 助手 (50227873)
長崎 孝夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (30155923)
|
Keywords | 電子機器冷却 / 微小発熱素子 / 沸騰伝熱 / 熱伝導・沸騰複合伝熱 |
Research Abstract |
多重積層電子素子の冷却において重要となる基板中の微小発熱素子からのミクロスケールの熱移動と沸騰伝熱による除熱促進につき実験的・理論的研究を行った。まず実際の素子の発熱は非定常的であることから発熱素子が周期加熱される場合の理論解析を行った。ここで素子近傍のミクロスケール伝熱とマクロスケールで生じる対流冷却を扱うため領域分割法を用い、さらに周期加熱を扱うため基礎式をフーリエ変換して解く方法を用いることにより、基板内熱伝導と強制対流冷却が連成した非定常問題を広範囲の幾何学的条件および冷却条件について数値的に解いた。その結果より発熱周波数、基板・素子寸法等の条件と素子温度上昇の関係について無次元整理を行い、ある条件下では素子温度上昇が素子近傍の熱伝導支配による温度上昇、および基板寸法を代表長さとして従来の対流伝熱相関式により与えられる基板の平均的な温度上昇の和として表されることなどを明らかにした。また沸騰伝熱による除熱促進につき昨年度行ったプール沸騰実験に続き微細流路による強制対流沸騰実験を行った。その結果、離脱気泡径および離脱周期は流速の影響を強く受け、低流速の場合には流路断面が大気泡で覆われ伝熱性能が低下するが、流速が大きい場合には離脱気泡径および離脱周期が著しく減少し熱伝達が増加することを示した。またある加熱量以上で核沸騰から膜沸騰状態となるが、通常の連続加熱面と異なり、離散的な発熱素子の場合には基板熱伝導の影響により素子の焼損に至るような急激な温度増加は生じないことなど、ミクロスケール素子の沸騰に特有の伝熱特性を明らかにした。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 土方 邦夫: "微小発熱素子からの強制対流沸騰伝熱に関する研究" 第32回日本伝熱シンポジウム講演論文集. II. 527-528 (1995)
-
[Publications] K. Hijikata: "Free and Forced Convective Boiling Heat Transfer from a Small Heating Element" Convective Flow Boiling. (1996)