1995 Fiscal Year Annual Research Report
金属シリサイドコンタクトを用いた非晶質シリコン薄膜トランジスタの作製
Project/Area Number |
06452227
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
上野 智雄 東京農工大学, 工学部, 講師 (90223487)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垂井 康夫 早稲田大学, 理工学研究科, 教授 (10143629)
黒岩 紘一 東京農工大学, 大学院・工学部, 教授 (20170102)
|
Keywords | 非晶質シリコン / 薄膜トランジスタ / CVD / シリサイドコンタクト / 電界効果移動度 |
Research Abstract |
非晶質シリコン(a-Si)を活性層に用いた薄膜トランジスタ(TFT)は、今後の表示素子の主流になると考えられるアクディブマトリクス型液晶ディスプレイのスイッチ素子として応用され、低消費電力で駆動できる電子デバイスとして注目されている。本研究では、従来からソースドレインコンタクトとして用いられてきたn+a-Siに代えて、金属シリサイドを用いることにより、コンタクト特性の向上を図り、コンタクト抵抗の減少により、a-SiTFTの電界効果移動度の向上を目指した。 本年度は、金属/a-Siにおける界面反応について調査し、低コンタクト抵抗を有する界面系として、Niシリサイドが有力であることを見いだした。また、金属をa-Si上に蒸着する際のベース圧力が、その後のシリサイド化反応に影響を与え、コンタクト抵抗が変化することを見いだした。チャンバー真空度の向上のため、従来の排気系を一新し、ロータリーポンプおよびターボ分子ポンプの排気システム(当該年度設備備品)を構築した。その結果、MiシリサイドコンタクトTFTにおいて、電界効果移動度が2cm2/V・secを超える値が実現された。これは、従来のn+a-Siを用いた場合に比べ、倍近い値となっている。 しかしながら、シリサイドコンタクトを使うことにより、スレッショルド電圧が上昇してしまうこともわかった。これを避けるために、金属蒸着前のa-Si基板のPイオンを注入し、その後、蒸着、熱処理を行うことにより、スレッショルド電圧の低下が解消された。これは、金属とa-Siとの間のシリサイド化反応時に、金属/結晶Siで見られるような、ド-ピング元素のa-Si側への吐き出しが起こり、シリサイド/a-Si界面構造における空乏層が極めて短くなり、オーミック特性が改善されたことによると考えられる。
|
-
[Publications] Tomo Ueno: "Generation of Excited Hydrogen Atoms and Its Application to Thin Film Fabrication for Electronic Materials" DENKI KAGAKU(電気化学および工業物理化学論文特集号). 63. 479-484 (1995)
-
[Publications] 津島賢治: "活性酸素原子によるSi基板酸化法の検討" 第56回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 2. 732 (1995)
-
[Publications] 津島賢治: "活性酸素原子によるSi基板酸化法の検討" 第43回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 2(発表予定). (1996)