1994 Fiscal Year Annual Research Report
固相変態における異相界面構造と変態機構に関する研究
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06452312
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧 正志 京都大学, 工学部, 教授 (10026247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古原 忠 京都大学, 工学部, 助手 (50221560)
津崎 兼彰 京都大学, 工学部, 助教授 (40179990)
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Keywords | 拡散変態 / マルテンサイト変態 / 析出 / レッジ機構 / 界面構造 / 結晶学 / 格子対応 |
Research Abstract |
fcc母相からbcc析出相が生成するNi-45Cr(mass%)合金を用いて,通常電顕および高分解能電顕を用いて析出物界面の原子構造を観察した結果,以下のことが明らかとなった. 1)析出物はラス状形態を持ち,レッジ機構によって成長する. 2)析出物界面は整合もしくは半整合であり,変態に際して格子位置の対応(Atomic site correspondence)が存在する.成長界面は変態転位と同様の性質を持つ原子レベルでのステップ(構造レッジ)が規則的に配列している. 3)変態に際して生じる歪みのうち,体積成分はsessileなミスフィット転位によって,せん断成分はglissileな界面転位によって緩和されている. 4)析出物の成長には,変態の駆動力を生じるための溶質原子の分配およびsessileな転位の上昇運動のために置換型原子の拡散が必要である. さらに,同様の観察をbccβ母相からhcpα析出相が生成するTi-7Cr(mass%)合金についても行った結果,Ni-45Crの場合と同様の結論が得られた. 一方、マルテンサイト変態における界面の原子構造を,室温に冷却するとマルテンサイトが生成し,母相も準安定に残留するTi-5Cr(mass%)合金を用いて,bccβ母相からのhcpα′マルテンサイト変態について観察した結果,以下のことが明らかとなった. 1)マルテンサイトの界面はやはり整合もしくは半整合である.変態は拡散を伴わないため原子そのものの対応(Atomic correspondence)が存在する. 2)変態歪みはマルテンサイトの双晶による格子不変変形によって緩和される.界面にはsessileなミスフィット転位は存在せず.その構造は完全にglissileである.
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Research Products
(1 results)