1994 Fiscal Year Annual Research Report
建築材料という木材が及ぼす学校校舎内教育環境の形成効果に関する研究
Project/Area Number |
06452365
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
橘田 紘洋 愛知教育大学, 教育部, 教授 (20024010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 正光 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (80126929)
村岡 眞澄 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (20024101)
高橋 丈司 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (00024000)
天野 敦子 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (10024019)
服部 芳明 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80180909)
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Keywords | 校舎環境 / 木造校舎 / 室内気候 / 校舎イメージ / 疲労自覚 / 蓄積的疲労 / 床環境 |
Research Abstract |
1.校舎内温湿度:木造教室と鉄筋コンクリート造(RC造)教室の温湿度特性を調べた結果、校舎建築材料の違いによる教室内温湿度状況の顕著な相違は冬季と梅雨時に認められた。すなわち、冬季におけるRC造教室の床付近温度は10℃以下になる頻度が高かったが、木造教室では10℃以下の温度状況は非常に少なく、子供の活動時間帯の大部分が適温に近い状況になっていた。また、梅雨時になるとRC造教室内の湿度は木造教室内よりほぼ10%程度高いことが明らかになった。 2.子供や教師の疲労:授業中の児童には「眠気とだるさ」や「注意・集中の困難さ」が見られるが、その頻度及び程度はRC造校舎の方が木造校舎より強く現れていた。また教師の蓄積的疲労も校舎環境に影響されており、RC造校舎の方が疲労症状が強く現れていることがわかった。さらに同時に調査した保健衛生事項についても校舎による特徴が認められ、RC造校舎においては木造校舎より児童のインフルエンザ罹患率が高いこと、不登校や事故欠席がより多いことが明らかにされた。コンクリート床は木床より体を冷やし、疲労感を来たしやすいことが調べられた。 3.校舎環境のイメージ特性:木造校舎はRC造校舎よりすごしやすいイメージがもたれているが、床がビニル張りの木造校舎はRC造校舎に類似したイメージがもたれること、使用机や椅子の材質によってもイメージが変わることがわかった。 4.校舎環境の違いが及ぼす子どもの活動特性:測定に必要あモーションアナライザーの購入が遅れたため、本年度は幼稚園児の行動調査を重点的に調査した。 5.各種校舎の設計図収集:木造校舎の構成上の特徴を検討するために必要な各種校舎の設計図面の収集を順調に進めることができた。
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