1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452434
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮 健三 東京大学, 工学部, 教授 (30011191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 義勝 東京大学, 工学部, 助手 (10251373)
槌本 昌則 北海道大学, 工学部, 講師 (40207402)
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Keywords | 磁気閉じ込め方式核融合炉 / 高温超電導体 / 非円形断面トカマク炉 / プラズマ垂直不安定性 / ピン止め特性 / 安定化効果指数 / トロイダル磁場リップル / 反磁性 |
Research Abstract |
非円形断面トカマク炉の研究ではプラズマ位置の垂直不安定性の抑制が重要な課題となっている。この位置不安定性を高温超電導体のピン止め特性を利用して抑制することを考え、高温超電導体によるプラズマ安定化効果を数値解析により評価した。具体的には、トカマクプラズマMHD平衡計算と超電導遮蔽電流計算を連成した解析コードを作成し、その上でプラズマ安定化効果指数を評価した。計算体系としては国際熱核融合実験炉(ITER)を選び、このプラズマの周辺に高温超電導線材によるコイルを配置するとした。また、計算における高温超電導体の各特性パラメータは現在の時点で技術的に達成されているものを採用した。 この連成コードにより高温超電導体及び真空容器、ブランケット等の導電性構造物によるプラズマ位置安定化効果指数を評価し、両者の比較を行なった。その結果、導電性構造物の安定化効果は電気抵抗の存在のため周波数依存性を示すのに対して、高温超電導体については周波数に依存せず、従って高周波領域のみならず、低周波数領域においても安定化効果に優れていることが分かった。 さらに、高温超電導体の配置のパラメータサーベイを実施した結果、断面0.2m×0.2mの細いコイルを数本組み合わせることにより、プラズマを安定化することに成功した。 プラズマ位置安定化に用いられる高温超電導体は、副次的にトロイダル磁場リップルをも抑制すると考えられる。そこで高温超電導体によるリップルの抑制効果を実験と数値解析により評価した。 (1)実験 2T常電導マグネットを用いた高温超電導体によるリップル抑制の検証実験を実施した。不均一な磁場分布を示す常電導マグネットの磁極間にY系高温超電導体を挿入することにより,磁場の不均一の程度を表すリップル値は最大で1.67%から0.76%まで抑制されることが分かり、本手法の有効性が検証された。 (2)数値解析 ITERの体系を例にとって数値解析を実施した。その結果、TFコイルの本数を現設計の24本から20本に削減した場合でも高温超電導体を用いることによってリップル値は許容値以内に抑制されることが確かめられ、本手法の有効性が検証された。
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