1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しい触媒を用いる立体選択的グリコシル化反応の開発
Project/Area Number |
06453065
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
向山 光昭 東京理科大学, 理学部, 教授 (60016003)
|
Keywords | グリコシル化反応 / 塩化スズ(II) / アミノグリコシド / ノ-ヒドロキシ糖 / リボフラノース / ヌクレオシド / ルイス酸 |
Research Abstract |
1.1-ヒドロキシ糖と遊離のアルコールを出発物質に用い、反応系内でトリメチルシリル化し、引き続き一挙にグリコシル化を行う方法を開発した。この反応は極めて少ない量の触媒存在下で進行し、特に活性な脱離基を用いることなく入手が容易な糖受容体、供与体から選択的に効率よくグリコシル化反応が行われる極めて優れた方法といえる。 2.極めて穏やかな条件下で活性化剤として使用可能な触媒として塩化スズ(II)を見い出し、2,3,5-トリ-O-ベンジル-1-O-ヨードアセチル-D-リボフラノースと各種求核剤との反応により、C、S、Nを含む各種リボフラノシドが高収率で得られることを明らかにした。塩化スズ(II)は弱いルイス酸として知られているが、上記糖供与体の活性化に有効であり、従来一般に糖供与体の活性化に用いられてきた塩化スズ(IV)やトリメチルシリルトリフラートを用いる反応に比べて、はるかに穏やかな条件下でグリコシル化反応を実現することができた。 3.2,3,5-トリ-O-ベンゾイル-β-D-リボフラノシルカーボネートと各種核酸塩基のトリメチルシリル誘導体との反応により、対応するピリミジン、プリン両タイプのβ-ヌクレオシド類を、穏やかな条件下、収率よく合成する手法を開発した。 4.複合糖質やアミノグリコシド抗生物質などの重要な構成単位である2-アミノ-D-グリコピラノシドの立体選択的合成を行った。2位のアミノ基が2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(Troc)基、あるいはアリルオキシカルボニル基で保護されたグルコピラノースあるいはガラクトピラノース誘導体を用い、アルキルトリメチルシリルエーテルとの反応において高いβ選択性をもって目的とするアミノグリコシドが得られることを見い出した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 松原 弘輝: "High-Yielding Catalytic Synthesis of Glycosyl Azides from Perocylated Sugars" Chemistry Letters. 247-250 (1994)
-
[Publications] 下村 直之: "Tin(II) Chloride Catalyzed Synthesis of Ribofuranosides" Chemistry Letters. 433-436 (1994)
-
[Publications] 向山 光昭: "Tin(II) Chloride Catalyzed Synthesis of B-D-Ribonucleosides" Chemistry Letters. 2089-2092 (1994)
-
[Publications] 下村 直之: "Stereoselective Syntheses of α-O-and B-D-Ribofuranosides" Bull.Chem.Soc.Jpn.67. 2532-2541 (1994)
-
[Publications] 下村 直之: "Stereoselective Syntheses of B-D-Riborucleosides Catalyzed" Bull.Chem.Soc.Jpn.67. 3100-3106 (1994)
-
[Publications] 松原 弘輝: "An Efficient Method for the Stereoselective Synthesis of" Polish J.Chem.68. 2365-2382 (1994)