1994 Fiscal Year Annual Research Report
分子膜を利用した有機-無機ナノ複合組織体の構築と光・電気化学特性
Project/Area Number |
06453117
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鹿川 修一 長崎大学, 工学部, 教授 (80037746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森口 勇 長崎大学, 工学部, 助手 (40210158)
寺岡 靖剛 長崎大学, 工学部, 助教授 (70163904)
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Keywords | Langmuir-Blodgett膜 / 二分子膜 / 無機-有機ナノ複合薄膜 / 無機ナノ物質 / ナノレベル / 金属硫化物 / 第三高調波発生 / 縮退4波混合 |
Research Abstract |
本研究は,Langmuir-Blodgett(LB)膜や二分子膜などの分子膜中で無機ナノ物質を合成かつ配列制御することにより,分子レベルで組織化した有機-無機ナノ複合薄膜を作製し,その物性や機能の解明を目指すものである.以下に平成6年度の成果を示す. 1.有機-無機ナノ複合膜の作製:ステアリン酸金属(Zn^<2+>,Cd^<2+>,Pb^<2+>)塩LB膜を硫化水素ガスで処理(S処理)し,さらに金属イオン水溶液への浸漬(I)-硫化(S)の操作を繰り返し施すとにより,ZnS,CdS,PbSをLB膜極性層間でナノレベルで生成・成長させたステアリン酸-金属硫化物複合膜の作製に成功した. 2.CdSサイズの精密制御:種々の成膜物質のLB膜中でCdS合成を行ったところ,いづれの膜においてもI-Sサイクルの繰り返しに伴いCdSのサイズは逐次的に増加するが,同一サイクル条件下では膜物質の分子占有面積の増加(極性層間におけるCd^<2+>濃度の減少)とともにCdSのサイズが減少することが判明した.即ち,LB膜中でのCdS合成では、膜物質の選択やI-Sサイクルの繰り返し回数によるLB膜極性層間のCd^<2+>濃度のコントロールにより,精密なサイズ制御ができることが明らかとなった.一方,同一の成膜物質では,LB膜系に比べて二分子膜系の方が生成するCdSのサイズが大きく,マトリックスの秩序性もサイズ制御に影響することがわかった. 3.複合膜の光非線形性:ステアリン酸-PbS複合膜の第三高調波発生(THG)について調べたところ,基板およびステアリン酸Pb塩LB膜より明らかに大きなTHG強度が観測され,本複合膜が3次光非線形性を有することを見い出した.THG強度は,LB膜層数,I-S処理回数に依存して変化した.現在,縮退4波混合法による光非線形性の評価を行っているところである.
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