1994 Fiscal Year Annual Research Report
サツマイモ野生種における自家不和合性遺伝子産物の分子生物学的解析
Project/Area Number |
06454043
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
神山 康夫 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (80024579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 束穂 遺伝子実験施設, 助教授 (10164865)
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Keywords | サツマイモ野生種 / 自家不和合性 / S-RNase / cDNA / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
サツマイモ近縁野生種Ipomoea trifidaは、胞子体型自家不和合性を有し、この自家不和合性は1遺伝子座のS-複対立遺伝子によって支配されていることを、すでに我々は明らかにしている。本研究はこのS-遺伝子をクローニングしその構造と機能を明らかにすることを目的としている。I.trifidaの属するヒルガオ科植物は、ナス科植物と近縁関係にあることから、ナス科で同定されているS-RNaseがI.trifidaの不和合性にも関与しているかどうかを検討した。S-RNaseの保存領域に相当するアミノ酸配列からプライマーを合成し、開花前日の柱頭から得たmRNAを鋳型にしてRT-PCRを行なった結果、期待されるサイズのPCR産物を得た。このPCR産物をプローブとして、柱頭のcDNAライブラリーからスクリーニングを行ない、完全長のcDNAクローンを得た。このcDNAクローンの塩基配列の解析から、ナス科のS-RNaseと相同性が認められRNaseをコードするクローンであることが明らかになった。ノーザン分析の結果、このRNaseをコードする遺伝子は柱頭と花粉で特異的に発現していることが確認された。サザン分析から、このRNaseはS-遺伝子座とは連鎖していないが、S-遺伝子座と連鎖しているシグナルも認められたことから、Ipomoea属の自家不和合性にS-RNaseが関与している可能性が高いことを明らかにした。今後、このS-遺伝子座と連鎖しているシグナルに相当するcDNAのクローニングとその解析を行なう予定である。
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[Publications] Y.Kowyama: "Self-incompatibility in a Lycopersicon peruvianum variant…" Theoretical Applied Genetics. 88. 859-864 (1994)
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[Publications] J.Royo: "Cloning and nucleotide seguence of two S-RNase…" Plant Physiology. 105. 751-752 (1994)
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[Publications] J.Royo: "Loss of histidine residue at the active site of S-RNase…" Proceeding National Academy of Science,USA. 91. 6511-6514 (1994)
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[Publications] Y.Kowyama: "Number,frequency and dominance relationships of…" Heredity. 73. 275-283 (1994)
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[Publications] 神山,康夫: "ヒルガオ科とナス科植物の自家不和合性" 育種学最近の進歩. 36. 15-18 (1994)
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[Publications] 神山,康夫: "植物が自己花粉を認識するメカニズム-自家不和合性の分子生物学-" 化学と生物. 32. 567-576 (1994)